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安芸太田町の里山歩き、の続き。今回たどるのは、発坂・岩田城跡から粒谷川左岸尾根。弁財天橋東の駐車帯に車を駐めて、橋の西詰から右手のスギ林尾根に取り付く。林床のササは始めだけで、薄い灌木に難はない。10分ほどで、柴木川第二発電所の調圧水槽(差動式サージタンク)に出会う。巡視路が南面横手に下っている。ここから発電機へ流れ下る奔流の落差は約77m。巡視路を横目に急尾根をひと上り、スギ林の肩ピークに着く。僕に遺構らしきものを同定することはできないが、ここが発坂城主郭跡のようだ。スギ林がなければ、足下に土居や正地(しょうじ)、東に上殿(かみとの)や松原が一望されることだろう。堀切になった北西尾根へ下る。ほどなく送電線巡視路に出合うが、160mほどで西面横手に分かれる。ヒノキ林の尾根筋をひと上り、次のピークに至る。林床が灌木だらけのヒノキ林のてっぺんになんの表示もないが、岩田城の跡はここしかない。こちらも北西尾根に堀切がある。 |
弁財天橋(発坂城跡取付)(7:31) |
調圧水槽(差動式サージタンク)(7:54) |
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発坂城主郭跡(7:59) |
岩田城主郭跡(8:15) |
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深い堀切りを上り返すと、尾根の灌木は消えて踏跡が現れる。ひと下りで乗越鞍部に出会う。善右衛門峠と呼ばれ、岩田と土居をつなぐかつての峠道だ。踏跡はなくなるが、ヒノキ林の尾根筋をたどると、柴木川第一線15に出会う。巡視路が尾根の西面横手に続くが、ササの茂る尾根筋をたどる。尾根は小ピークで東に転じ、柴木川第一線16に出会う。さらにひと上りして、497峰から北尾根へ下る。鞍部で巡視路に出合う。途切れ途切れに四度目だ。尾根筋にこだわらなければ、こちらをたどるのも愉しいかもしれない。 |
堀切(8:17) |
乗越鞍部(善右衛門峠)(8:24) |
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柴木川第一線15(8:56) |
497峰山頂(9:05) |
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鞍部を上り返すこと約250m、粒谷川左岸尾根に合流する。北へ向かう尾根の灌木ヤブは薄く、踏跡さえ認められる。ただ、隆起準平原の蛇行尾根は、ルート取りに苦労する。534峰を越えて20分のところに、荒れた乗越径あり。ひと起伏した鞍部で、こんどは立派な乗越道に出会う。粒谷と与一野(よいちの)を結ぶ、かつての峠道に違いない。上り返した尾根の踏跡はいっそう明瞭になり、難なく671峰に立つ。おだやかな尾根になって約15分、この稜線の最高所、723.9峰へ到達。点名は松毛山、マツ林のてっぺんに展望はない。北尾根の鞍部はちょっと茂るが、上り返した715峰には踏跡あり。右に取って約15分、鞍部できれいな乗越道に出会う。寺領と梶ノ木を結ぶ峠道で、大峠(おおたお)と呼ばれている。上り返した尾根には灌木が茂るが、大したことはなく、10分の辛抱で見覚えのある南西尾根分岐に着いた。前回たどった南西尾根を下り、町道梶ノ木支線の峠に出る。左に取って、林道梶ノ木線を下る。下るばかりの楽ちんウォークだ。地蔵尊祠をめぐり、粒谷地区北端で作業林道の分岐を確認するなどして、粒谷橋の南で町道へ合流する。途中、洗川(あらいかわ)の谷渡り台杉を素通りしたことが、ちょっと心残り。 |
534峰(gps標高)山頂(9:46) |
乗越径(10:06) |
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乗越鞍部(10:12) |
671峰山頂(10:48) |
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723.9峰(松毛山)山頂(11:03) |
715峰(gps標高)山頂(11:11) |
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大峠(11:32) |
南西尾根分岐(11:42) |
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町道梶ノ木支線の峠(下山地点)(12:09) |
地蔵尊祠(12:30) |
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粒谷地区北端の家(作業林道分岐の南)(12:50) |
市間山 粒谷地区北端の林道より(12:51) |
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粒谷橋(13:03) |
おっぱい山など 太田川左岸の里道より(13:13) |
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太田川左岸の山裾に付けられた里道を南東にたどり、R191へ合流。左に取り、発坂・岩田城跡の稜線を眺めながら東進。発坂トンネル西出口手前で、右の旧道に入る。起点を目前にして、正地取水堰の後背に猿彦山(さるひこやま)・高城山(たかしろやま)の連なりを見る。今度だどることにしよう。 |
発坂城跡など R191より(13:25) |
猿彦山など 旧R191より(13:40) |
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