大谷川(おおたにごう)
 
単独 2019.08.05 
大谷橋の南(県296)(7:23/46)→大谷川入渓(7:50)→第一金庫岩(イシノコヤ)・F6(8:32)→左谷出合(8:34)→左谷F1(9:01)→F2(9:15/28)→F3(9:38/44)→F4(9:45/51)→F7(10:03/08)→F9(10:11)→F10(10:22)→F11(10:29)→F12(10:41)→F13(10:46)→F14(10:48)→F15(10:57)→F17(11:02)→F18(11:11)→十方山登山道(11:52)→十方山(12:01/17)→論所(12:23)→本谷F17(12:56)→F16(13:16)→F14(13:20)→小杉苗の谷出合・すだれ滝(13:51)→F12(14:03)→F11(14:05)→第二金庫岩(14:09)→F6(14:36)→出渓(15:07)→起点(15:09)
軌跡図
  この地図は、国土地理院の地形図を利用したものである。     歩行時間:7時間23分、歩行距離:約8㎞

アルバム
大谷川左谷を遡って十方辻に上がり、論所から本谷へ下った。大谷橋南の県道296号吉和戸河内線待避所に車を駐める。大谷橋南詰を、左(大谷川右岸)に100mばかり入ったところから入渓。大谷川本谷のF(falls)ナンバーは、三浦さんの「西中国山地の沢」のポト図に拠っているが、特徴的な大物が少なく、その特定がとても難しい。僕なりに印象的だったものを無理やり当てはめているので、間違いも多いと思う。ともあれ、時系列で遡行・下降の状況を記録。

大谷橋南の県296待避所(7:46)

大谷橋南詰(7:48)
入渓して約9分、斜めの二段ナメ滝F1に出会う。水量が少ないので、滝面を直登。続く2条のF2は、流木に依って登る。美しい小滝連F3は、水流を遡る。続くF4は、大ゴーロと露岩壁の間を落ちる小滝。簡単。

大谷川本谷F1(7:59)

2条F2(8:06)

小滝連F3(8:09)

F4(8:19)
右にガレた支谷を見てゴルジュ渓を回り込むと、大岩の左を小滝連で下る斜F5に出会う。これを、Fにカウントしていいものやらどうやら。続いて角ばった巨岩が現れる。第一金庫岩である。下が岩屋になっていることから、イシノコヤとも呼ばれる。この巨岩の右手に、斜S字のF6が架かっている。左岸をへつって滝直下に取り付き、直登。すぐ上で左谷が出合う。

斜F5(8:26)

第一金庫岩(イシノコヤ)(8:31)

斜S字F6(8:32)

左谷出合(8:34)
左谷に入る。急な大ゴーロのゴルジュ渓を遡ること25分、左谷C/SF1に出会う。水量が少ないので、直登に難はない。越えたところで、左手の支谷に大きなスラブ滝を見る。ツルッツルだけど、登れるかもしれない。

大谷川左谷F1(9:01)

左谷支谷に架かるF(9:05)
さらに10分ばかりゴルジュ渓を詰めると、この谷の核心20mのF2が圧倒的な存在感をもって姿を現す。中段までフリーで登ってみるが、上段で進退窮まりそうなので、撤退。左岸の巻き径を上がって落口に立ち、撤退が懸命だったことを知る。TRでも、最後は往生しそうだ。

左谷F2(9:15)

F2落口(9:28)
おだやかな谷になって約120m、F3に出会う。露岩の斜滝で20mは優にあるが、容易に直登できる。続いてF4が現れる。こちらも約18mの二段斜滝だけど、はじめの斜度が大きく、滝面右側の細い岩溝を登る。フリーなので、中段を抜ける折は、もう必死。上にF5、F6が続くが、小滝で簡単に越せる。

F3(9:38)

F4(9:45)

F5(9:52)

F6(9:57)
約100m遡って、F7に出会う。約14mの直瀑だけど、滝面左のホールド・スタンスは豊富に見える。でも、ヌル苔が黒光りして、いかにも滑りそう。受ける釜もないし、TRで登るのも面倒くさい。この際、安全を期して右岸を巻き上がる。すぐ上に斜滝のF8とF9が続いたあと、おだやかなゴーロ沢になる。約200mばかり遡ると、二段トユ状の斜滝F10が架かって、上で二俣になる。左谷には角方スラブ滝、右谷にはF11が架かっている。左谷を遡って登山道に出たほうが楽そうだけど、右谷を選ぶ。F11は見た目ほど難しくない。

F7(10:03)

F7(10:06)

F8(10:09)

F9(10:11)

F10(10:22)

F11(10:29)
F11を越えると、100mばかり伏流して二俣になる。左谷に入ると、チョロチョロ水流の角方スラブ滝F12に出会う。この後もチョロチョロ水流のヤブ沢が300mばかり続いて、6Fをカウントする。チョロチョロ水流のヤブ沢がさらに200m、ようやく水が途切れたので、右手のササヤブに取り付く。約20分のササ漕ぎをやって、ケルンが立つ登山道に飛び出す。ルンルン気分で十方山山頂に達し、廿日市、安芸太田の山々を眺めながら、至福のバナナ弁当をいただく。

十方山登山道(11:52)

十方山山頂(12:01)
内黒峠への稜線縦走コースを下り、論所で大谷川本谷に取り付く。約10分で水流が現れ、歩きやすくなる。スラブ滝と露岩滝のあとに、10mのスラブ滝F17。左岸の立木に拠って滝面を下る。滝直下に流木が詰まって、せっかくのスケールが台無し。小滝の混ざるゴーロの谷がしばらく続いて、二段のF16。上段は滝面、下段は2条左の流木を伝う。すぐ下に、三浦さんのポト図にある5mフェースのF14。間にあるはずのC/S滝F15は、特定できない。F16も下段は流木が引っかかって、以前とまるで様子が違う。岩雪崩で渓相が変わっているのかもしれない。F14は滝面を下る。

論所の大谷川本谷下降地点(12:23)

大谷川本谷F17(12:56)

二段F16(13:16)

フェースF14(13:20)
ゴーロの谷がしばらく続いて、大ゴルジュに入る。F13と思しきゴーロの小滝に出会って、右岸の懸崖に目をやれば、小杉苗の谷の「すだれ滝」が落ちている。すだれ滝直下のV字2条の小滝を過ぎて顧みる景色は、この谷の圧巻だ。この崖を攀じるサワラーを僕は知っている。大ゴーロを少し下ったところで、C/SF12、2段F11(下段斜2条)に出会う。いずれも滝面を下るのは難しくない。ほどなく第二金庫岩。下流側からの形は、どう見てもお結び。このあと、穏かなゴーロ谷が400mばかり続いて左谷が出合う。途中で出会ったF10、F9、F8は、カウントしてよいものか悩むほどの小滝。F7を特定できないまま、F6を滑り下る。愉しいお清め。ゴーロの谷をヒョコヒョコ下って、起点に還る。

すだれ滝(13:51)

大ゴルジュのゴーロ帯(13:54)

C/SF12(14:03)

第二金庫岩(14:09)