細見谷(ほそみだに)・一ノ谷・二ノ谷
 
単独 2018.08.11 
立野キャンプ場(7:00/17)→入渓(細見谷橋の上流)(7:20)→取水堰堤の天端(7:27)→淵(7:31/34)→ゴルジュ淵(8:00/10)→一ノ谷出合(8:17)→ゴルジュ淵(8:23/29)→テンガタキ谷出合(9:01)→二ノ谷出合(9:08)→ゴルジュ淵(9:09)→クロダキ谷出合(9:30)→筏滝(9:44/53)→ホトケ谷出合(9:56)→V字滝(10:00)→オオリュウズ(10:05/27)→二ノ谷出合(10:56)→二ノ谷F1(10:06/14)→F2(11:16/19)→F3(11:20/23)→F4(11:24)→F5(11:25/26)→一ノ谷への乗越鞍部(12:57/13:07)→一ノ谷F12(14:01/06)→F11(14:08)→F10(14:09/12)→F9(14:13/16)→F8(14:19)→F7(14:30)→F6(14:35/38)→F5(14:38)→F4(14:42)→F3(14:44/46)→F2(14:48)→F1(14:53)→一ノ谷出合(14:55)→起点(15:29)

軌跡図
                                                            所要時間:8時間12分、歩行距離:約10㎞
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。

アルバム
今回の訪問先は、細見谷の一ノ谷と二ノ谷。9年前に同じルートを辿っているが、もう忘却の彼方。この際、細見谷本流をオオリュウズまで遡ったあと、引返して二ノ谷から一ノ谷へつなぐことにする。起点の立野(たちの)キャンプ場には、朝ごはんの用意にいそしむキャンパーが一組。ここに8月11日(土)の「山の日」は、あまり関係ないようだ。キャンプ場西の細見谷橋東詰の径を下って、細見谷に入渓。

立野キャンプ場(7:18)

細見谷橋(入渓点)(7:20)
早々からアブの大群にまとわりつかれる。ご丁寧にブトまで混じり、煩わしいことこの上ない。取水堰堤は、右袖の際を登る。堰堤天端からは、アブの大群をひきつれての河原歩き。約200mで最初の淵に出会う。まだ泳ぐ気になれず、右岸をへつり巻く。さらに400mばかりで、ゴルジュになる。下手の淵はすっかり埋まっているが、上手は健在。右岸の岩壁を、残置スリングに依ってへつり巻く。僕にはぎりぎりで、面白い。

取水堰堤(7:26)

ゴルジュ淵(8:01)
ふたたびおだやかになった沢床を約150m、くの字の折れ曲がりに、西から一ノ谷が出合っている。奥にF1をちょっと見。本流は、すぐゴルジュ淵になる。右岸の岩壁をへつる。

一ノ谷出合(奥に見えるのはF1)(8:19)

ゴルジュ淵(8:23)
ゴルジュは120mほどで終わり、美しい渓がしばらく続く。テンガタキ谷のFを左岸に見てほどなく、こんどは右岸に二ノ谷のF1が出合う。40mはありそうな水流が、黒い滝崖を静かに伝っている。まるで昇竜のように。うーむ、ともあれオオリュウズまで行って来なくては。

テンガタキ谷出合に架かるF(9:01)

二ノ谷出合のF1(9:08)
一ノ谷出合の時と同様に、すぐゴルジュ淵になる。左岸の岩壁を、愉しくへつる。烏帽子の形をした大岩、クロダキ谷の出合、大岩が鎮座する小淵などをめぐりながらの平穏な渓歩きが400mばかり続いたあと、右折して細見谷の核心部がはじまる。最初は、ゴルジュの奥に大きな淵を抱える筏滝。むかしは、筏で滝下まで進み、右の滝崖を登ったので、この名が付いたという。筏がないので、左岸側を泳いで滝下に向かうが、釜尻から奥は水流が強くて、進めない。やむなく、そこから左岸に取り付き、岩壁を乗り越す。右岸側を泳いで滝下まで行き、左岸側へ横切れば、何とか滝崖に取り付けるかもしれない。こんど、試してみよう。

ゴルジュ淵(9:09)

筏滝(9:44)
すぐ上流でホトケ谷が出合っている。クロダキ谷を横切る下山林道へのエスケープルートが、左岸尾根に取り付いている。本流の90m奥には、V字滝。左岸をへつる。

ホトケ谷出合(9:56)

V字滝(10:00)
続いてオオリュウズ。大きな流木が右の滝崖に引っかかり、釜は見る影もなく埋まっている。迫力のあるかつての景観は、ない。滝面左の水流に取り付き、右岸の滝崖を登りたいところだが、中ほどのトラバースが怖そうなので、アイコンタクトだけにして、次回に取っておく。で、大きな流木の引っかかる右の滝崖を登った。こっちは、思いのほか簡単。上流の河原を見納めて、二ノ谷出合へ引返す。残置ピンでも打てば別だが、持参の20mロープでの懸垂下降は難しいので、右岸を高巻く。すべる急傾斜の草付を下るのは、滝崖を登るときのように愉しいものではない。無事に釜尻に降り立ち、ほっと一息。一転、渓を下るのは楽ちん。V字滝の釜を除いて、淵はぜんぶ泳ぐ。とりわけ、筏滝は滝直下に簡単に降りられ、ひと泳ぎすれば淵尻という有様。遡行の手間がうそのよう。オオリュウズの釜尻から二ノ谷出合まで30分とかからない。ちなみに僕の場合、遡りには1時間近くを要している。

オオリュウズ(10:08)

オオリュウズ落口(10:17)
いよいよ二ノ谷遡行の開始。9年前は、あまりの高さに恐れをなし、右岸を木登りで巻いた。水量の少ない今回は、僕に登れるまたとないチャンスかもしれない。ということで、取り付いてみる。おっかなびっくりで、はじめはちょっこしまごつくが、水流の中にはガバホールドがいっぱい。落ち着いて登れば難しいところはない。でも、上部はぜったい落ちられないので、必死。落口に達した時は、思わずガッツポーズ。山の神様に感謝!すぐ上にC/S小滝あり。越えると、斜め3段のF2が続く。滝面を登るのは簡単。

二ノ谷F1上部(11:07)

二ノ谷F2(11:16)
上には、50m足らずの間にスラブ滝F3、斜滝F4、露岩滝F5が続いている。いずれも大きなものではなく、簡単に直登できる。その上は、小滝がときおり掛かるおだやかなヤブ沢になる。やがて、下生えの薄い闊葉樹の源頭を経て、一ノ谷との乗越鞍部に突き上げる。F1の直登は愉しいが、その上に見どころはなく、退屈で苦しいばかり。二ノ谷は、F1だけ登って右岸尾根を下るのが断然よい、と思う。鞍部でバナナ昼食を済ませ、一ノ谷へ下る。

F3(11:20)

F4(11:24)

F5(11:25)

一ノ谷と二ノ谷の乗越鞍部(12:58)
ヤブは薄く、10分で水がチョロチョロの源流域。おだやかな谷が30分ばかり続いたあと、谷は次第に狭まって、小滝を掛けながら高度を下げていき、ようやく10mの2段滝F11に出会う。鞍部からF11落口まで約1.4㌔、55分を要す。これより、退屈な谷歩きは一転して、素敵な沢下りがはじまる。細見谷との出合まで、息つく暇がないほどの連瀑である。F11は、ホールドスタンスともに良好で、愉しく下降。

一ノ谷F11上段(14:05)

一ノ谷F11下段(14:06)
F10は、スラブ滝。滝面はよく洗われており、すべらない。F9は、V字の沢床にゴーロの大岩が引っかかる3段滝のようだけど、流木がその姿を台無しにしている。

一ノ谷F10(14:08)

一ノ谷F9(14:12)
F8は、約5mの途中にC/Sのあるチムニー滝。ホールドスタンスともに豊富で、登下降は容易。F7は、V字の露岩床を下る多段滝。突っ張れば難しくない。シャワークライミングで、カメラのレンズが結露。なので、F7の写真は最悪。

一ノ谷F8(14:16)

一ノ谷F7(14:19)
F7からF6落口まで約80m。この間に、流木がつかえて透過ダムのようになった小滝3つ、流木の引っかかった露岩滝2つが掛かっている。流木で荒れていなければ、美しいV字の渓だろうに。F6は、6mの露岩滝で、滝面を下る。C/S小滝と大岩が滝面の上に乗っかった露岩の小滝を間に置いて、F5。6mの二条滝で、右の水流を下る。滝直下には流木が積み重なっている。

一ノ谷F6(14:30)

一ノ谷F5(14:35)
F4は、3段の斜滝。下段は突っ張って下りる。F2落口までゴーロ帯が約70m。F2のすぐ上で大岩が谷を塞ぎ、右岸の岩壁を水が伝っている。悩ましいところだが、F3にカウント。

一ノ谷F4(14:38)

一ノ谷F3(14:42)
F2は、8mの3段滝。滝面の登下降は、愉しい。ゴーロ帯を30mばかり置いてF1落口。スラブ状の滝だけど、滝崖を降りられる。登るのも、難しくはなさそうだ。一ノ谷出合で一息入れて、細見谷を下る。お清めを兼ねて、淵はぜんぶ泳ぐ。一ノ谷出合から起点まで約30分。

一ノ谷F2上段(14:46) 

一ノ谷F2(14:48)

一ノ谷F1の上流(奥にF2下段が)(14:50)

一ノ谷F1(14:53)