茅帽子山(かやぼうしやま)(右谷山(みぎたにやま))・額々山(がくがくやま)寂地山(じゃくじさん)
 
単独 2018.04.27 
寂地峡Ⓟ(7:02/08)→観音霊場分岐(7:18)→観音霊場33番(7:29)→横吹山(8:20)→カラスバ山(8:36)→984峰(8:54)→茅帽子山(9:32)→1153峰(9:51)→925峰(10:42)→深谷川渡渉(11:18/34)→吉賀霊場番外札所(11:45)→河津越(12:22/27)→後谷山(13:10)→1074峰(13:39/58)→岩塔(14:03)→1116峰(14:19)→1227峰(14:59)→ガクガク石(15:16)→額々山(15:27)→寂地山(15:47)→林道終点(16:20)→犬戻歩道→東屋(16:47)→起点(17:08)
                               軌跡図        所要時間:10時間、歩行距離:21.3㎞
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。

アルバム
寂地峡案内所を起点に、茅帽子山(右谷山)、河津集落、額々尾根、寂地山とつなぐ、ひさびさのロングトレイル。宇佐八幡宮の北側から木馬トンネルへ至る遊歩道Aコースに取り付く。

寂地峡案内所「やませみ」(7:08)

観音霊場分岐(遊歩道Aコース)(7:18)
約10分で左手斜面に観音霊場への径が分かれる。この径を選ぶと、ほどなく観音石仏が並びはじめる。古いものではない。超ミニの西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)で、約8分の道のり。最後の三十三番は、茅帽子山南尾根から流れる支尾根の肩、木馬トンネルの上にあり、樹間越しに竜ヶ懸崖観音が拝めるようになっている。肩の付根では、北西に木馬トンネル西出口への踏跡が乗り越し、南西(左)に主脈へ向かう径が上がっている。

観音霊場33番(奥右)(7:29)

竜ヶ懸崖 観音霊場33番より(7:30)
主脈への尾根径をたどる。早々に岩塔門をくぐり、イワカガミや鮮やかなミツバツツジが咲き誇る松葉径が15分ばかり続いたあと、ひざ下のササが茂りはじめる。次第にササは丈を増して、主脈の横吹山に上がるころには腰下になる。が、踏跡は明瞭で、密度も大したことはなく、たびたび下生えのないスギヒノキの植林地になるなど、難はない。順調にカラスバ山、984峰と高度を上げていき、起点から約2時間20分を要して茅帽子山のてっぺんに達す。それにしても長い登りだ。少し遠回りだが、ヤブガ峠経由のほうがずっと楽で、早い。カタクリをめぐりながら、南西尾根の寂地峯尾遊歩道をひと下りし、1153峰から北西尾根に入る。

横吹山山頂(8:20)

カラスバ山山頂(8:36)

茅帽子山(右谷山)山頂(9:34)

1153峰北西尾根取付(9:54)
薄い腰下のササ尾根に気をよくしていたら、600mばかりで灌木ヤブになる。925峰も樹間越しに安蔵寺山が垣間見える程度。標高810mあたりまで高度を下げてようやく、マツ雑木尾根になり、灌木ヤブから解放される。代わりにササが茂りだすが、それも大過なく終わり、深谷川左岸の林道に降りた。

925峰山頂(10:39)

茅帽子山下山地点(深谷川左岸の林道)(11:17)
右岸の河津集落へ渡りたいが、近くに橋はないので、やむなく靴を脱いで渡渉。対岸は荒れた棚田、石垣を攀り、河津集落の里道に出た。1153峰から1時間46分を要す有様。うーむ、である。200mほど北にたどった民家前から、河津越への細径が分かれている。

深谷川渡渉場所(11:20)

河津越への取付(河津集落)(11:44)
入ると、斜面畑地の奥に吉賀霊場番外札所が建っている。瓦葺の、なかなか大きなお堂だ。左手の葉ワサビ畑の際を通らせてもらって、谷筋の荒れた径に取り付く。200mばかりで、ササの茂る尾根径になる。東面を横手に上がるところは径が崩れるなど、そう楽ではない。約35分をかけて河津越に上がってみれば、かつての峠道はササに埋没して跡形もない。額々尾根への踏跡を探すのに苦労する有様。

吉賀霊場番外札所(11:45)

河津越(12:22)
身の丈近いササ尾根のはじまりである。明るい闊葉樹林の稜線ではあるが、なんとも鬱陶しいヤブである。後谷山西の鞍部で、小五郎山の秀麗な山容を見て、少し元気を取り戻す。ササがいくぶん薄いのは後谷山の西稜東稜あたりだけ。おまけに、下りがないのでササ漕ぎも楽にない。身の丈を超す大ヤブの鈴ノ大谷山などに比べれば、はるかにまし、なのだが…。

小五郎山 後谷山西の鞍部より(12:49)

後谷山山頂(13:08)
1074峰でもはや13時39分、展望岩塔を前にして、たまらず昼食。少し蘇って、岩塔の上にあがり、寂地山から南西に流れる長い稜線、小五郎山の双耳峰など、四周の景色を楽しむ。

岩塔 1074峰東の鞍部より(13:59)

小五郎山 岩塔の上より(14:03)

ミノコシ峠と1260峰 岩塔の上より(14:03)

1074峰 岩塔の上より(14:04)
1116峰の西尾根でサルメンエビネに出会うが、ピンボケのため証拠写真なし。1116峰から岩稜のところが多くなり、やがて1227峰に達す。南面がスギ林で、東尾根の鞍部を上り返すころにはササも薄くなって、いくぶん歩きやすくなる。大きな岩を見て約200m、ガクガク石に出会う。北面の闊葉樹林の林床に、小さく群生するカタクリとミヤマカタバミを見つけ、ちょっとひと息。歩きやすくなったスギ林の尾根を約10分、ようやく額々山のてっぺんにたどり着く。もはや15時27分、ヘロヘロである。よけ岩の上から寂地山をちょっと見して、南面の径へ下る。

1227峰山頂(14:59)

ガクガク石(15:16)

カタクリ ガクガク石の左手斜面(15:17)

額々山山頂(15:27) 
よけ岩を西側から回り込む登山道の楽ちんなこと。カタクリを愛でながら、寂地山山頂まで20分とかからない。当初の計画では、錦ヶ岳を経て南尾根を下り、竜ヶ懸崖の上に立つつもりであったが、とてもそのゆとり(時間も体力も)はない。やむなく、下山は無難な寂地林道コースと決し、さっさか歩きで急ぎに急いだが、起点に還ったのは17時を回っていた。僕の場合、このロングトレイルを完歩するには、逆回りで、ヤブガ峠経由しかなさそうだ。この際、カタクリと元気のよい犬戻しの滝に出会えたことで、良いことにする。

よけ岩(15:30)

寂地山山頂(15:47)

上の犬戻歩道入口(16:35)

犬戻の滝(13:41)
出会った草花 

イワカガミ(イワウメ科)

ミツバツツジ(ツツジ科)

カタクリ(ユリ科)