
山城湖(生見川(いきみがわ)ダム湖)の右岸に連なる上田山、聖山の稜線を歩いた。岩国市美和町の長浴バス停に車を駐める。すでに2台の乗用車が置かれている。パーク＆ライドされているのだろうか。東側の大歳神社石段を上がり、拝殿右から上田山南東尾根に取り付く。
長浴バス停(7:41)		大歳神社(7:46)

ヒノキ林の中を上るとすぐ、山道に出合う。送電線巡視路として管理されているようで、取付は長浴の集落にあるのだろう。きれいな山道を380mばかり上がったところで、岩国美和線鉄塔80に出会う。南西面が少し開けて、樹間越しに長浴大橋が見える。そこから約100m、道のへりにTVアンテナが立っていた。まだ現役のよう。
上田山南尾根に付けられた送電線巡視路(7:47)		岩国美和線鉄塔80(8:02)

長浴大橋　岩国美和線鉄塔80より(8:01)		巡視路で見かけたTVアンテナ(8:05)

さらに240mほど、こんどは打ち捨てられたトップカー(農作業用動力運搬車)に出会う。そしてほどなく、左手のマツ雑木林の中に反射板を見かける。寄り道して、金網フェンスの南西面に回ってみると、桜に彩られた生見川ダム堰堤や深山(503.9m)などを眺めることができた。巡視路に戻ってほどなく、錦川第三線鉄塔34に出会うが、見晴しはない。退屈しない道行きは、この辺まで。きれいな巡視路は、ふつうの尾根径になる。マツ雑木林の尾根に見晴しはないが、明るくて爽やか。406峰の手前から若いヒノキが混生するようになって、灌木が茂りはじめる。
反射板(8:17)		生見川ダム堰堤　反射板より(8:16)

375峰(8:30)		406峰(8:54)

大歳神社から1時間30分ほどで、上田山山頂に達す。マツの倒木が散乱する広い山頂の南側に、三角点が立っていた。南西尾根に明瞭な径が続いているので、この際、451峰まで行ってみることにする。ときおり倒木や落枝が邪魔をするものの、大したことはなく、451峰手前のピークまではルンルン。が、このあとの約250mで元を取られる。しっかりヤブ漕ぎを強いられ、ようやく達した451峰山頂に展望はなかった。
上田山山頂(9:18)		451峰山頂(10:03)

上田山に戻り、北尾根の径をたどる。こちらも南西尾根同様にルンルンの径が続く。しまいにちょっと赤テープ付きのヤブ径になるが、難なく乗越鞍部に出た。乗越径は、足谷と美川町の南桑を繋いでいるのだろう。北へ向かう尾根径は、コシダや灌木が茂るところもあるが踏跡は明瞭で、いずれのピークも、横手に巻いている。この際、尾根筋をたどる。509峰の山頂は、雑木に覆われて展望はなく、図根三角点の赤白ポールがひっそり立っていた。
上田山北尾根の乗越鞍部(11:18)		509峰山頂(11:39)

次のピークを越えたところで、径が左右に分かれる。左の径は伊田川を経て高野へ出るのだろう。右の道は、尾根の南面を横手に巻いている。尾根筋をたどり、小ピークを乗り越した先で横手道に合流する。尾根は、この小ピークで北と東に分かれる。北尾根にも径があり、たどれば八久保山(533.5峰)を経て林道小杉北原線に出る、と思われる。いつか歩いてみよう。東尾根の径に入って25分、聖山山頂に至る。途中、灌木や落ち枝で荒れているところもあるが、問題なし。雑木林の山頂に展望はなく、三角点の西側に瓦、木片、石の小さな盛り上がりがある。かつて、ここに祀られていただろう小祠のことなどを偲びながら、お弁当を食べる。東尾根へ下ると、ほどなく踏跡があらわれ、高度240mあたりからヒノキ林になる。山頂から約30分で、柿ノ木原の県道130号本郷周東線に降りた。
509峰北尾根の鞍部(12:04)		聖山山頂(13:20)

聖山山頂の祠跡(13:14)		聖山東尾根末端(県130)(13:53)

南にたどり、県道2号岩国佐伯線に出て、起点に向かう。途中、足谷橋の上から上田山や聖山を、黒瀬の対岸から妙見山を背にした黒瀬橋を眺める。車にめったに出会わない、桜に彩られた広い県道歩きも、悪くない。
足谷橋＆聖山(14:14)		上田山　足谷橋より(14:14)

黒瀬橋＆妙見山　県道2号線より(14:32)		長浴バス停のパーク＆ライド駐車場(14:46)

軌跡図
所要時間：７時間１０分、歩行距離：１３.9㎞