アライ谷・瀬戸谷右俣(せとだにみぎまた)
 
3人 2017.08.13 
瀬戸滝入口(6:48/57)→入渓(6:59)→ゴルジュ淵尻(7:02)→F1(7:08)→F2(7:35)→F3(瀬戸滝)(7:48/57)→アライ谷F1(7:58)→F2(8:01)→F3(8:15)→F4(8:41)→F5(8:44)→F6(8:48)→F7(9:10)→F8(9:16)→二俣(9:30)→登山道(9:53)→五合目(10:07)→瀬戸谷右俣下降地点(10:18)→入渓(10:21)→二俣(10:35)→懸崖(10:37)→瀬戸谷F15(10:45/59)→F14(11:01)→F13(11:02)→F12(11:10)→F11(11:11)→F10(11:13)→F9(11:15/21)→二俣(11:26)→F8(11:32)→F7(11:35/45)→F6(11:47)→F5(11:49)→F4(11:58)→水車跡(12:39)→瀬戸滝上段落口(13:00)→アライ谷(13:14)→瀬戸滝(13:18)→起点(13:35)

軌跡図
                                                            所要時間:6時間38分、歩行距離:約7.5㎞
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。

アルバム
カチこさんとせーきさんの沢登りに参加させてもらった。いずれ劣らぬ山女、ついて行けるかしらん。行程はアライ谷遡行、瀬戸谷下降である。瀬戸滝入口で落ち合い、7時前に出発。瀬戸滝観賞歩道を70mばかり入ったところから、瀬戸谷に入渓。すぐゴルジュ淵となる。泳ぐにはまだ寒いのか、二人とも左岸をへつっていく。僕も対抗して右岸をへつるが、早々とドボン。小滝F1を越えたところで、GPSスイッチを入れ忘れていたことに気付く。ゴルジュの中なので、衛星信号がなかなか補足できない。ようやく「?」マークは消えたが、怪しいものである。ままよと、収納して二人のあとを追いかける。二番目の歩道鉄橋を潜った先の淵も、二人は右岩壁を器用にへつっていた。僕なんか、端からジャブジャブ水の中。ほどなくインゼルを過ぎて、最後の歩道鉄橋に出会う。下には三段の小滝が架かっている。二人は苔むした流木をひょいひょい伝って滝に取り付き、水流を愉しく登っていた。このところ頻発する大水で、渓の流木は増すばかり。むかしはこんなではなかった。やがて瀬戸滝が見えてくる。

瀬戸滝入口の駐車場(6:48)

入渓して最初のゴルジュ淵(7:02)

瀬戸谷F1(7:07)

F2(三段滝)(7:34)
28mの大滝は、今日も迫力満点だ。これより、瀬戸谷本流とはしばしのお別れ。右谷のアライ谷に入る。出合から250mばかりは急峻なゴーロ谷で、まるで1本の滝のごとし。

F3(瀬戸滝)(7:48)

アライ谷出合(7:5)
瀬戸滝の巻き径を過ぎたところで、さっそく露岩斜めのF1に出会う。懸崖との際を水が流れ下っている。登るのは簡単。上の3mC/S滝F2は、僕には難敵。中ほどに打たれたリングボルトにアブミを掛け、落口に引っかかった流木に足をかけて這い上がる。カチこさんはというと、リングボルトにヌンチャクで足場をつくって、いとも簡単に越えてしまった。あの様子なら、ヌンチャクの足場がなくても十分登れたと思う。

アライ谷F1(7:58)

F2(8:02)
次が露岩滝F3。前回僕は左岩壁を中段まで上がったが、ガバホールドが剥がれたため、恐れをなして左岸を高巻きした。これをカチこさんは、水流左側に取り付き、カムを1本入れて、簡単に登ってしまった。続くせーきさんも、するするっと。ラストの僕は中段のバンドに上がることができず、パニクったあげくゴボウで登る有様。二人を待たせて申しわけないやら、情けないやら。こんどソロで再挑戦してみなくては。V字の谷にトユ状の水流が一本の滝のように続いたあと、インゼル2条のF4が現れる。左側の水流を登る。上に続くC/S滝F5は、突っ張って登る。ほどなく、V字水流になって落ちるインゼル滝F6が現れる。右岩壁から取り付き、中段でトラバースして右水流の左(インゼル際のクラック)登る。左のC/S水流も直登できる。左右水流の落口のすぐ上には、C/Sが段をなしている。とりわけ右側水流のそれはダイナミックで手ごわく、左側の岩の間隙を攀って越えた。

F3(8:16)

F4(8:41)

F5(8:44)

F6(8:48)

F3(8:17)

F6(8:49)

F6右下段落口(8:54)

F6上段落口(8:57)
少し上で流木の引っかかった小滝を越えると、谷は平たんになる。10分ばかりで二段のスラブ滝F7に出会う。大きいが、斜めで簡単。さらに5分のところに、トユ状滝F8が架かっている。小さいけど面白い。いよいよ谷は穏やかになって源頭域の様相になる。と、先を行くカチこさんから悲鳴が上がる。熊さんかと思いきや、細流の石の上でニョロ君が日向ぼっこ?排除しようと、棒切れで放り投げたのはよいが、カチこさんのそばに落ちるという失態。余計なおせっかい、申しわけないことです。ほどなく二俣となり、右谷を詰める。やがて稜線間近となったので、右の斜面に取り付いて登山道に上がる。

F7下段(9:10)

F7上段(9:12)

F8(9:17)

ニョロ君(9:28)

二俣(9:30)

十方山登山道(9:53)
登山道をたどり、五合目のある三ツ倉北の鞍部から瀬戸谷に降りた。ウシロヤマ谷右谷の呼名が付けられている。源頭域をひと下り、ほどなく水流に出会う。さらに10分ばかりでV字谷となり、両岸に懸崖が現れる。クライマーの二人は垂壁を見上げて、「このクラックは落とせるね、とか何とか」、さかんに値踏みしている。流倒木で荒れたゴーロ谷を下っていくと、C/S滝F15の落口に出る。C/Sの右岸際を伝えば、露岩の滝面を下ることができるが、お二人の安全を期して懸垂で降りた。すぐ下にトユ状の斜滝F14、露岩滝F13、ちょっと間をおいてF12、F11、F10と、小滝が連続する。いずれも滝面を伝って降りられる。そして最後に5mの直瀑F9が架かり、その下で左谷と出合う。F9は水流の右側がガバガバ。伝えば降りるのも簡単だが、夏草が茂って上からはよく見えない。なので、左岸のガレを巻き降りた。かつての深い釜は、すっかり埋まって見る影もない。

瀬戸谷下降地点(10:18)

瀬戸谷F15(10:59)

F14(11:01)

F13(11:02)

F12(11:10)

F11(11:11)

F10(11:13)

F9(11:21) 
二俣から5分も下るとゴルジュになって、大ビラメの滝と呼ばれるF8、F7が連続する。突っ張って水流を下れば難しくないが、いずれも淵が受けるので、ちょっと泳がなくてはならない。ここも流木や土砂で埋まって、呼名の面影はない。

F8(11:32)

F7(11:35)
C/S滝F6、スラブ滝F5の下からはゴーロ谷となり、ゴーロ滝F4を尻に谷は開けてくる。やがて瀬戸谷左谷が合流し、長―い河原歩きがはじまる。いいかげんうんざりしたころ二段淵が現れて、ほどなく瀬戸滝F3の落口に出る。お二人は上から眺める景色に、すっかりご満悦の様子。

F6(11:47)

F5(11:49)

F4(11:58)

瀬戸谷右谷と左谷の二俣(12:33)

二段淵の下段(12:56)

F3(瀬戸滝)上段落口(13:00)
一息入れて、木馬道跡から巻き径を下る。虎ロープが張られているとはいえ、今にも切れそうな細いもので、けっこう怖い。いっそロープがない方がよいのかもしれない。無事に巻き降りて、瀬戸滝の釜でお清め行水を済ませ、観賞歩道を起点に還る。カチこさん、せーきさん、お世話になりました。楽しかったです。起点でGPSを開けてみると、あんのじょう得られた軌跡はグッチャグチャ。半分は利用できそうにない。これはやっぱり出直すしかあるまい。

アライ谷の瀬戸滝巻き径取付(13:14)

瀬戸滝の釜(13:19)