鈴ノ大谷(すずのおおたに)
 
3人 2017.06.03 
鈴ノ大谷橋南詰(6:20/29)→林道終点(6:39/51)→堰堤1(6:57)→F1(7:02)→F2(7:10)→堰堤2(7:20)→F3(7:26)→堰堤3(7:30)→堰堤4(7:35)→堰堤5(7:37)→オシガ谷出合(7:42)→堰堤6(7:47)→堰堤7(7:50)→堰堤8(7:55)→堰堤9(7:59)→F4(8:03)→F5(8:05)→F6(8:08)→F7(8:12)→F8(8:13)→堰堤10(8:16)→F9(8:47)→F10(8:49)→F11(8:50)→F12(8:52)→銚子の口(8:56/9:23)→F13(9:29)→F14(9:32)→F15(9:34)→F16(9:38)→F17(9:41)→伝法寺谷F1(9:48/10:13)→伝法寺谷F2(10:15)→F18(10:27)→F19(10:28)→F20(10:36)→稜線(11:07)→860峰(11:51)→押ヶ峠(12:13)→オシガ谷出合(12:43)→インクライン橋(13:09)→林道終点(13:21/14:30)→起点(14:40)

軌跡図
所要時間:6時間30分、歩行距離:12.2㎞
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。

アルバム
C.C.INA★PINAの鹿野さんとカチこさんに鈴ノ大谷遡行へ連れていってもらった。集合場所は、柿木村の生椎茸菌床センター奥の林道終点。草生した林道だと、僕の車はセーフティーシールドが作動して警報音がうるさくてかなわない。やむなく、鈴ノ大谷橋南詰の廃道スペースに駐めて歩く。集合時間に10分も遅れ、早々のイエローカード。にもかかわらず、快く受け入れていただく。この日は、お世話になっている飛加藤さんとお友達の森本さんも同行されている。お二人とは山行を共にしたことがあり、とても懐かしい。鈴ノ大谷山登山道の整備に向かわれるとのこと。一方、鹿野さんとカチこさん、日ごろからC.C.INA★PINAを愛読して、僕はすっかりファンになっている。初対面にちょっと緊張したが、想像していたとおりの素敵な沢らー&クライマー。これからはじまる、お二人との溯行にドキドキワクワク。6時54分、東斜面へ下って入渓。すぐ砂防堰堤が現れ、右岸を大高巻き。上の磧に降りると、行く手にF1が現れる。釜をもつトユ状小滝で、縁に流木が引っかかっている。寒いので左側をへつって越える。

堰堤1(D1)(6:56)

F1(7:01)
ゴルジュになり、少し行くと10mの直瀑F2が姿を見せる。ゴルジュ淵の右岸をへつって滝直下近くまで行ける。鹿野さんなら右側のルンゼが登れそうに見えるが、ボロボロで、前回(2017.2.24)中段まで行ってあきらめたそうである。なので、右岸を巻いて越える。5分ばかり先でインクライン橋を潜ると、石垣の砂防堰堤(D2)に出会う。右岸を巻く。次のF3は淵のある斜滝。カチこさんは、果敢に泳いで滝芯突破。そして、鹿野さんはすぐ上の石垣堰堤D3を直登。見慣れているカチこさんは平然としているが、僕は魂消る。二人ともすごい。あとに続いて、なんとか超えることができ、とても勉強になる。

F2(7:08)

インクライン橋(7:17)

F3(7:26)

堰堤3(7:30)
D3の上で右にナカノ谷が分かれている。続く石垣堰堤D4、D5は巻く。D5を越えてほどなく、左からオシガ谷が出合う。御影石で三面張りにされており、水は涸れている。とてもFは期待できそうにない。オシガ谷が出合った先にも堰堤が続くが、いずれも老朽化または半壊状態にある。D7は崩れるので左岸を巻いたが、他は直登できてとても愉しい。

オシガ谷出合(7:42)

堰堤6(7:47)

堰堤7(7:49)

堰堤8(7:55)
D9の少し上から二条滝F4、トユ状滝F5、二段滝F6、直瀑の露岩滝F7、トユ状滝F8と、小滝が連続する。いずれも簡単に越せる。堰堤は、F8上のD10が最後になる。

堰堤9(7:59)

F4(8:03)

F5(8:05)

F6(8:08)

F7(8:12)

堰堤10(8:16)
25分ばかりゴーロの磧が続いたあと、深い淵をもつF9が姿を見せる。右岸をへつって、滝直下から突っ張って登れば簡単。ところが、鹿野さんは左岸の垂壁を難なくへつる。うーむ。F9を皮切りに、F10、F11、F12の小滝が連続する。僕にはとても難しいC/S滝F10を、カチこさんは易々と越えている。日ごろボルダリングで鍛えたムーブに舌を巻く。勉強になりました!

F9(8:45)

F10(8:49)

F11(8:50)

F12(8:52)
F12の上で右谷から銚子の口(銚子の滝)が出合い、左に曲折した本流に10mの階段状滝F13が流れ落ちている。10mの直瀑「銚子の口」を見て、鹿野さんの目が輝いている。僕なんかこれを直登するなんて考えもしないが、彼は躊躇なく取り付いた。愉しそうに、すべるすべると言いながら。やがて、見事に右側を突破。僕も二番手で登らせてもらう。今までにない達成感だ。こんな溯行を、鹿野さんたちはいつもやっているのだからすごい。

銚子の口(銚子の滝)(8:58)

銚子の口(9:10)
 
鈴ノ大谷本流に戻ってF13を登る。簡単。続いてトユ状滝F14、階段状滝F15、スラブ斜滝F16、スラブ斜滝F17。いずれも難しくない。すべるすべると言いながら、みんな愉しく溯る。

F13(9:30)

F14(9:32) 

F15(9:342)

F16(9:38)
F17の上で4段の25m斜滝が出合って、本流は左に曲折し、トユ状滝F18が流れ落ちている。25m斜滝の上流に伝法寺跡があることから、この谷を伝法寺谷と呼ぶことにする。で、鹿野さんは当然のことのように伝法寺谷の滝にアタックを開始する。露岩の斜滝は一見優しそうに見えるが、ツルツル。三段目から上は僕だと絶対無理だと思うけど、カムで上手に支点をとって、するすると突破してしまった。またしてもセカンドで楽ちんをさせていただく。取付であづって、ちょっと恥ずかしい思いをしたけど…。F1の上の2m斜滝F2を越えると、広く平坦な谷になる。この上流が伝法寺跡のようだ。

F17(9:41)

伝法寺谷F1下部(9:48)

伝法寺谷F1上部(10:01)

F18(10:27)
本流に戻って、トユ状滝F18、F19を越すと、谷は一気に狭くなる。少し遡り、S字に曲がった先で、露岩の5m斜滝F20に出会う。上は平坦なヤブ谷になる。

F19(10:28)

F20(10:36)
7分ばかり先の二俣を左に取る。谷は茂るばかり。稜線鞍部はすぐそこだが、たまらず右の支尾根に取り付いて稜線に上がる。稜線のササは身の丈近くあり、とても固いので、楽にない。ともあれ、南西尾根をたどり、押ヶ峠に向かう。ササの密度は時おり薄くなるものの、総じて濃い。860峰の先でちょっこし迷走して、どうにか押ヶ峠に至る。かつては乗越径があったのかもしれないが、一面ササに蔽われて、峠のような雰囲気はない。オシガ谷に下ると、ガレ谷になって歩きやすくなる。砂防堰堤を三つ越え、しまいは三面張りの水路になって鈴ノ大谷に合流した。オシガ谷は水なしFなしの小さな谷。でも、峠のすぐ下でサイハイラン(采配蘭)に出会えたのは嬉しい。鈴ノ大谷へ出てからは、谷に沿う踏跡をたどり、インクライン橋を渡る。かつて営まれた林業集落に思いを馳せながら…。鹿野さん、カチこさん、充実した1日をほんとうにありがとうございました。

鈴ノ大谷右岸尾根

押ヶ峠(12:15)

 サイハイラン(采配蘭)(12:17)

オシガ谷標高635mあたり(12:20)