大丸峯(おおまるみね)障子懸崖(しょうじたき)
 
単独 2017.04.23 
田野原(6:40/45)→453.4峰取付(7:02)→453.4峰(8:01)→597峰(8:43)→送電塔管理道(8:53)→滝山川線送電塔19(9:07)→大峠(9:15)→大丸峯(10:13/35)→大岩分岐(10:51)→大岩(10:54)→661峰(11:08)→大丸峯登山口(11:36)→長笹集落(黄幡)(11:42/12:08)→長楽神社(12:21)→引地越え取付(12:39)→峠(12:45)→引地(13:06)→県道301号澄合豊平線(13:08)→障子懸崖取付(13:37)→障子懸崖の上(13:56)→上槇橋北の障子懸崖取付(14:09)→起点(14:24)

軌跡図
                                                 所要時間:7時間39分、歩行距離:14.7㎞
  この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。

アルバム
龍頭山や滝山からの観望で、近くにあって気になる山、大丸峯を南北稜線通しに歩いてみた。県道301号澄合豊平線を西宗川に沿って上り、西周川橋手前の非常駐車帯に車を駐める。南に600mばかり戻って、右の里道に入る。行く手に453.4峰からの尾根末端があり、500mばかり先で取り付く。うまい具合に、山裾の休耕田地は刈り払われ、里道との間を流れる谷川には木橋が渡されていた。ヤブはひと漕ぎで終わり、下生えのないスギ林の中に入る。大きなシラカシに出会ったりして高度を上げていくと、若いヒノキ林に変わる。ほどなくマツ・雑木林の肩となり、踏跡が現れる。20分ほどで453.4峰。南面に樹木越しの見晴しがあり、久地冠などを同定。これより稜線は北に向かう。ヒノキ林の中を10分、右に一本大モミ、左にちょっとした岩壁を配した急なバカ尾根に出会う。右手に樹間越しの滝山を見る。クラックだらけの石積のような岩壁は攀ったら愉しそう。でも、先を急ぐのでスルー。ひと上りで597峰の肩、平坦な稜線は360m先で7mほど高度を上げている。明るい雑木林の山頂だが、見晴しはない。

田野原の周川橋西(県301)(6:44)

453.4峰(7:00)

453.4峰山頂(8:01)

597峰山頂(8:43)
北にひと下りすると、送電塔管理道に合流した。400mばかり行って、滝山川線送電塔19に出会う。東面が開けて、滝山や猿喰山(さるまみやま)などが見とおせる。管理道は手前で左の横山方面に下っている。尾根にもよい道があり、ほどなく林道大峠線の大峠に降りた。長笹側から向かいの尾根に取り付く。稜線に上がると踏跡がある。標高700mより上はバカ尾根で、踏跡はササの中に消滅する。さいわいササ丈は低く、苦も無く大丸峯の山頂に飛び出した。避難小屋の前は展望広場になっている。

送電塔管理道(8:53)

滝山 滝山川線送電塔19より(9:09)

大峠(林道大峠線)(9:16)

大丸峯山頂(10:13)
左手(北側)に植栽された桜は、今まさに花盛り。先日の龍頭山山頂に続いて、今日も絶佳の眺望を独り占め。龍頭連山はもとより、滝山、牛頭山、堂床山、備前坊山、そして白木山などの山嶺をとくと眺めやる。北尾根の道を下るとすぐ、展望大岩への径が右斜面に分かれている。ちょっと寄り道。こちらも山頂に勝るとも劣らないパノラマ展望台。大岩の上に立ち、いま一度足あとを付けた山嶺に思いを馳せる。

備前坊山、堂床山、白木山 大丸峯山頂より(10:24)

大丸峯頂稜のササ原(10:36)

牛頭山、滝山 大丸峯頂稜より(10:37)

大岩分岐(10:51)

大岩(10:54)

椎谷山、龍頭山、野々志山 大岩より(10:55)

野々志山、猿喰山、海見山など 大岩より(10:55)

海見山、堂床山、牛頭山など 大岩より(10:55)
661峰の先は稜線通しに下ることも考えたが、この際楽ちんなのがよい。登山道を道なりにたどると、稜線から20分で登山口に降りた。雲ひとつない青空のもと、長笹集落が見渡せる里道端の草地に腰を下ろして昼食。目の前に牛ヶ首山・椎谷山の連なりと、そよ風と小鳥の鳴き声だけの長閑な田園風景が広がっている。

大丸峯登山道標高410mあたり(11:30)

大丸峯登山道取付(11:32)

大丸峯登山口(11:38)

牛ヶ首山、椎谷山など 長笹黄幡より(11:42)
里道を南に向かうと、登山口の先に楽山神社がある。まだ新しい小さな社の横に和風レストラン様の建物が建っている。通りかかった人に聴けば、2015年3月に創建されたオートバイの神社だそうで、建物は人気蕎麦店「達磨雪花山房」の跡地に建てられた、休憩&宿泊施設とか。ビンテージバイクの展示や足湯もあるとのこと。僕はちょっと異邦人?早々に立ち去る。道なりに800mばかり下ったところから、2万5千分の1図に記された引地越えの破線径に入る。110m先で民家への取り付け道路と分かれ、右の草生した作業道(古道)に入る。多少ササが茂っているところもあるが、明瞭な道が峠越えしていた。

楽山神社(オートバイ神社)(12:21)

古道引地越えの分岐(12:38)

引地越え取付(12:39)

引地越えの峠(12:45) 
地形図の破線が途中で終わっているので、ヤブ漕ぎを覚悟するが杞憂に終わる。道はますます明瞭になってジッグザッグと下り、やがて引地の里に降りた。目の前には、西宗川を渡る道が対岸の県道301へと続いている。なんか解放されたような心地になって、県道へ出る。あとは、昌原(さかいばら)、上原(うえばら)、槇ヶ原(まきがはら)とめぐって起点に還るだけだが、時間があるので「上原の障子滝」を訪ねてみることにする。と言っても、どこにあるのか分からない。あちこちうろついて地元の人に聴いてみたら、すぐ親切に教えてくださった。最近径を整備したとのこと。取付は槇ヶ原対岸の谷の出合左岸にあった。きれいに刈り払われた径が沢沿いに200mばかり続いて、それは現れた。50m近い衝立のような懸崖が目の前に広がった。僕はあえて障子懸崖と呼ぼう。クライマー垂涎の壁かもしれない。さらに沢沿いの径をたどると、懸崖の裏手に回って滝に出会う。二段の斜滝で、愉快に直登できそうだ。なんか上流にもFがありそうな気がする。こんど遡ってみようか。

古道引地越えの昌原側取付(13:08)

障子懸崖取付(13:37)

障子懸崖尾根(13:45)

障子懸崖尾根裏側(北西側)の滝(13:49)
懸崖尾根の北西側(裏側)の支谷には、踏跡があった。難なく尾根の付根に上がると、横手道が左右に続いていた。ロープがないのでちょっと怖いが、懸崖尾根のピークまで行ってみる。そこには、白布の切れ端を残した玉付ポールが立っていた。かつては日の丸の旗がひるがえっていたのだろう。50mはありそうな垂壁岩稜をフリーで伝うのは、とても怖い。ここは登攀用具が必携だ。滝山の北尾根をちょっと見して、早々に退散。横手道を右(東)に取ってほどない、373峰の尾根筋に障子懸崖の展望所が切り開かれている。横手道はその尾根を乗り越して上原へと下っていく。やがて上槇橋北の民家の横を通って、県道301に出た。起点まであと1㌔余り。

障子懸崖 展望所より(14:01)

上槇橋北の障子懸崖取付(14:08)