苅尾山(かりおさん)
 
単独 2017.02.16 
道戦峠(7:22/48)→933m峰(8:18)→980.5m峰(8:43)→1053m峰(8:33)→下の展望岩(10:10/14)→上の展望岩(10:18/21)→西峰(10:23)→苅尾山(10:38)→西峰(10:54)→作業道(11:17)→977m標高点(11:28)→町道吉見坂小板線(12:05)→ナカノ谷左岸(12:09)→ロクロ谷右岸の作業道入口(12:18)→サトリキ峠(12:31)→除雪終点(12:41/13:15)→深入峠分岐(13:18)→R191(12:30)→起点(13:41)
アルバム

道戦峠聖湖分岐四叉路の林道側(7:39)

933m峰山頂(8:19)

980.5m峰山頂(8:42)

作業道
(ロクロ谷右岸尾根標高960mあたり)(9:00)
聖湖の外輪を歩いてみよう、と思った。手始めは苅尾山から。道戦峠(どうせんだお)の聖湖分岐辻に車を駐める。うまい具合に、辻の林道側に駐車スペースが除雪されていた。桑原先生は、この峠を古文書「八幡村御建山野山腰林帳」および「戸河内村森原家手鑑帳」に依り、堂据峠(どうせいだお)とされている。さっそくスノーシューを付けて、北側の尾根末端に取り付く。ヒノキ林の斜面を上ってほどなく、尾根を巻いて北に向かう作業道を横切る。一帯のヒノキはまだ若く、除間伐管理に利用されているようだ。取付から15分ばかりで、東側(右)が闊葉樹林になって明るく開ける。933m峰北の鞍部で、町界尾根に沿う有刺鉄線柵に出会う。尾根の南面は、見浦牧場のエリアのようだ。町界尾根は、標高950mの分岐肩から東のサトリキ峠へと下っていく。北の980.5m峰を乗り越したところで、ヒノキの樹間に苅尾山の西稜を垣間見る。乗越鞍部を上り返すと、尾根の東面(右側)を上がる作業道に出合った。

1053m峰山頂(9:33)

恐羅漢山、比尻山など 下の展望岩より(10:10)

高岳、春日山など 下の展望岩より(10:12)

弥畝山 下の展望岩より(10:13)
明るい闊葉樹林の尾根がしばらく続いて、苅尾山西稜の肩(1035m峰)に上がる。なじみのブナの枯木にご挨拶。肩の基部で作業道に再会。ロクロ谷は、源流域にまで作業道が張りめくらされているようだ。これより、ブナ森のバカ尾根斜面がはじまる。ガスや吹雪いた時の下りは厄介だが、今日のような好天に恵まれれば愉しいばかり。スイスイ上って、展望岩で西中国山地の眺望を独り占めにした。「下の展望岩」は西面が開け、氷結する聖湖を間に置いて、十方山から嶽(だけ)にかけてのパノラマを愉しむ。その後背に安芸冠山、大神ヶ岳、安蔵寺山、燕岳、三子山、春日山などを同定する。そして、嶽の後背に弥畝山から掛山にかけて林立する風車群を見る。2016年6月に運転を開始した「ウインドファーム浜田」風力発電所48MW(1670kW×29基)である。こんど、竣工後の地域研究に出かけてみよう。

上の展望岩(10:18)

深入山 上の展望岩より(10:20)

十方山、恐羅漢など 上の展望岩より(10:20)

苅尾山 西峰山頂より(10:25)
「上の展望岩」は夏道にあるもので、南面から東面が開けている。十方、恐羅漢に加えて深入山を間近に眺めることができ、その後背に天上山、阿弥陀山、大峯山などを同定。また、東に樹木越しではあるが鷹ノ巣山や広島市北部の山を見るが、自信がないので山名は言わない。すぐ上が苅尾山の西峰(1220m峰)で、雪の原になっていた。

三瓶山遠望 西峰の東頂稜より(10:28)

苅尾山山頂の八畳岩(10:38)
本峰を目前に東に向かうと、樹木越しに三瓶の雪嶺が見えた。苅尾山の山頂もまた広い雪の原。八畳岩が北面に岩肌をさらして、ちょこんと顔を出している。それにしてもこの八畳岩、巨岩ではあるが上部にその広さがあるとは思えない。胴回りだとすれば納得するが、うーむ、である。岩のまわりを一周して西峰に戻り、ロクロ谷左岸尾根を下る。

977m標高点(11:26)

町道吉見坂小板線への下山地点(12:14)
標高1100mあたりで、ロクロ谷からナカノ谷へ回り込む作業道を横切る。明るい闊葉樹の林床にあるのは、雪ばかり。気温が上がって少々もぐるが、下りなので難はない。頂稜から1時間10分で町道吉見坂小板線に降りた。当然のことながら、この時期除雪はされていない。ナカノ谷左岸まで行ってみる。広場になっており、ナカノ谷左岸尾根への取付は緩やかで容易そうだ。

サトリキ峠(12:32)

町道吉見坂小板線の除雪終点(13:15)
町道を小板方面に向かうが、雪は重くペースは上がらない。左手に見浦牧場がはじまってほどなく、サトリキ峠に上がる。道の両側には、まっさらな美しい雪の原が広がる。草原はその下で、黒毛和牛が放たれる出番に備えている。町境札の横に「林道大朝鹿野線起点」の古い標識が立っているが、現在はR191の辻まで町道のようだ。峠から360m、小板集落の北端でようやく雪道から開放される。切りもよいので、春のような日差しを受けて心地よく昼食。時おりただよう牛の匂いがたまらない

小板集落の深入峠分岐辻(13:19)

苅尾山 小板集落より(13:21)

深入山のトンガリ山 小板集落より(12:26)

道戦峠の聖湖分岐四叉路(13:41)
小板集落の深入峠分岐辻を右に取ってR191に出る。途中、苅尾山やトンガリ山を後背にした小板集落の雪景色が郷愁を誘う。路面があらわになったR191をひと上りして、起点に還ったのは13時41分。当初、林道大朝鹿野線を下り、論山-鷹の巣山の尾根をたどって還ることを考えていた。が、今の僕には無理のようで、ちょっと時間を持て余す。



軌跡図
                                                   所要時間:5時間53分、歩行距離:10.2㎞ 
この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。