フカ谷(深谷)・中の谷(なかのたに)
 
単独 2016.09.16 
一軒家バス停(7:32/50)→赤い鉄橋(8:03)→フカ谷F1(8:54)→F2(9:20)→オオリュウズF3・F4(9:32/10:21)→F5(10:24)→F6(10:38)→F7(10:41)→ワサビ田跡(10:47)→一ツ岩(10:59)→作業道終点(11:04)→F8(11:13)→土滝山(12:12)→冠山(12:36/13:02)→冠山南尾根1240mピーク(13:24)→中の谷源流域(13:35)→ワサビ田の跡(下流側)(13:53)→中の谷F4(14:03/29)→F3(14:44)→F2・F1(15:00/11)→作業道終点(15:19)→起点(15:49)
アルバム

一軒家バス停北側のチェーン脱着場(7:51)

入渓点の赤い鉄橋(8:03)

フカ谷F1(8:54)

F2(9:20)
貴重な秋霖の中休み。これを逃す手はない。思い立って、冠山南尾根東面を源流とするフカ谷と中の谷を訪ねた。一軒家バス停北側のチェーン脱着場に車を駐める。タテ川に沿う林道に入る。作業林道分岐を西(直進)に向かう。冠山トンネル排煙施設の先でタテ川は二俣となる。右のフカ谷に赤い鉄橋が架かり、新しく開削された道が左俣の左岸に続いている。橋の上手から入渓。ナメ床の河原で水はとてもきれい。ときおり小滝を入れて、穏やかなゴーロの河原が続く。入渓点から50分遡ったところで、F1に出合う。右岸から落ちてきた大岩が滝直下に居座り、その姿を台無しにしている。引っかかった流木に拠って取り付き、シャワークライミング。さすがに9月半ばともなると、水は冷たい。上には、小滝が5つ続いたあと、巨岩滝F2が架かる。右の大岩との間を、引っかかった流木に拠って登った。僕にはけっこう難しく、上のほうは必死で這い上がる有様。

オオリュウズF3(9:32)

F3の2段目と3段目(9:34)

F4(9:45)

F5(10:24)
さらにゴーロの渓を5分ばかり、いよいよこの谷の核心F3が姿を見せる。オオリュウズと呼ばれる4段の斜滝で、20mはゆうにありそうだ。かつてフリーでシャワークライミングしたおり、3段目の上部がとてもこわかったので、トップロープで登る。4段目を越えると、すぐ上にF4が続く。こちらもトップロープでシャワークライミング。滝面には、左岸をへつって取り付いた。F4落口から60m上流で、小さな釜をもつF5を越える。

F6(10:38) 

F7(10:41)

ワサビ田跡の石積(10:48)

一ツ岩(10:59)
さらに小滝が4つ続いたあとに、露岩滝F6とF7に出合う。いずれも簡単に越せる小滝だが、滝の数が少ないので、無理やりカウント。ゴーロの河原を5分ばかり遡ると、ワサビ田の跡が現れた。石積に沿うナメ床の水流と、両岸に広がる明るい渓畔林が、えも言われぬ雰囲気を醸しだしている。ワサビ田が終わると伏流し、150mばかり遡った右岸に大岩を見る。これが、桑原先生の「西中国山地」にある〈一ツ岩〉なんだろうか。

作業道終点の側面(11:01)

F8(11:13)
大岩のすぐ上を作業道が横切り、谷に通されたヒューム管から落ちる水がゴーロの谷へ消えている。作業道は荒れており、谷の右岸で終わっている。作業道の上には細い水流がある。ほどなく両岸が懸崖の大ゴーロ帯になる。左折すると、右岸に支谷が滝となって合わさり、奥のどん詰まりにF8が落ちている。右のコンタクトラインが岩屋になった小さなスラブ滝だが、滝面がヌル苔で滑る。二度三度すべり落ち、あきらめて右岸を登った。

土滝山の登山道(12:12)

冠山山頂(12:36) 

恐羅漢山&十方山 冠山展望所より(13:01)

ワサビ田の石積(13:53)

中の谷F4(14:12)

F4の上部(14:11)
F8の上は平凡な谷になり、やがて太田川源流の碑が立つ鞍部に至る。のつもりが、少しずつ左にそれて、あろうことか土滝山の登山道に飛び出す始末。ここは、谷筋に惑わされることなく、北に進路を取らねばならぬ。とんだ遠回りをして冠山山頂に達す。昼食を済ませて、展望所から西中国山地の山なみを観望。十方や恐羅漢は秘色(ひそく)に霞んでいた。南尾根を下って、1240mピークから東面の中の谷左俣へ下る。標高1150mあたりで入渓して15分、ワサビ田の石積に出合う。水流は明瞭となり、ほどなく二条滝F4の落口に出る。左岸を巻き降りて、右の水流をトップロープで登る。簡単でとても愉しい。右の水流もシャワークライミングできると思うが、水が多くて冷たそうなので、即却下。

F3(14:44)

F2(15:07)

F1と長平谷(右)(15:04) 

F1上部(15:10)
明るいゴーロの谷が15分ばかり続いてF3に出合う。その下にも小滝が続き、さらに小滝を二つ下ったところにF2がある。そして、すぐ下にF1が落ちている。右岸の踏跡をF1直下まで降りて、F1は階段状になった左の壁を、F2は左岸をへつり上って中ほどから水流を登った。いずれもフリーで登れ、こわいところはない。滝面アタックとなると、僕の場合、トップロープでも無理のような気がする。このあとタキガ谷を下っても単調なゴーロが続くので、溯行を終了して右岸の作業道に上がる。急ぎ足で30分、満ち足りて起点に還った。



軌跡図
                                                   所要時間:7時間59分、歩行距離:12.3㎞