浦石峡(うらいしきょう)
 
単独 2015.09.14 
寂地峡駐車場(7:41/53)→R434→宇佐川入渓(8:36)→宇佐川大滝(8:49/52)→浦石川出合(9:07)→カンス淵・F1(9:17)→F2落口(9:35)→F1落口(9:40)→浦石橋の下(10:19)→トクジロウ淵・ F3(10:22/30)→ウシロ谷出合(10:54)→F4下段(11:03)→F4中段(11:05)→F4上段落口(11:18)→ゴルジュ滝F5(11:27)→F6(11:34/43)→斜滝F7(11:48/55)→アベウシの滝F8(12:08/11)→コヤノ谷の瀬戸F9(12:23/32)→スラブ滝F10(12:43/45)→斜滝F11(12:57)→橋(13:00)→取水堰(13:26)→スラブ滝F12(13:39/53)→大人の足跡・F13(13:53)→木目の滝F14(13:58/14:04)→二俣(14:16)→赤い橋・遡行終了(14:18/52)→寂地峯尾遊歩道入口(14:54)→起点(15:31)
アルバム

宇佐川入渓地点(8:38)

宇佐川大滝(8:50)

浦石川出合(9:08)

カンス淵・F1(9:17)
寂地峡「やませみ」の前に車を駐める。コウヤマキの立つ玉蔵寺前の里道を南に下る。刈り取りを待つ稲穂の海の中に続く、静かな一本道。あちこちでヒガンバナが彩を添えている。えも言われぬ心地になる。最後は畦端から踏跡を伝ってR434に出た。南に辿ると、宇佐川大滝落口の上から100m計り下に宇佐川に降りる踏跡がある。大滝観賞用のものらしく、急ではあるが明瞭で、ゴーロの河原に難なく降り立つ。まずは大滝にご挨拶、ということで宇佐川をちょこっと遡行。すぐS字ゴルジュになって淵が現れる。水の量が多く、さっそく胸まで浸かって右岸側を伝い歩く。奥に大滝が姿を見せるが、何時もにも増して勢いがよい。高鉢山の枝谷懸崖にも水流がある。であるから、あたり一面が猛烈な霧降り状態。大釜近くからの撮影など望むべくもない。びしょ濡れになりながら一目見て、早々に退散した。宇佐川には泳ぐようなゴルジュ淵もなく、15分で浦石川(浦石峡)出合に着いた。はなからゴルジュの渓で、高根橋を仰ぎ見て右に曲がったところが、よく知られた懸垂下降入渓地点だ。すぐにカンス淵F1が現れる。今年こそ直登しようとやってきたが、寒くてとても泳ぐ気にはなれない。逡巡の末、右岸を高巻いた。私の場合、寒さ対策なしの泳ぎは、無理のようだ。

F1落口(9:42)

F2(9:43)

トクジロウ淵とF3(10:22)

F4下段(11:03)

F4中段・上段(11:05)

F4上段落口(11:20)
F1を高巻くと、F2の上の小滝の落口に降りることになる。小滝は右岸をへつり、F2は引っかかった倒木を伝って、F1落口に立つ。F1の直登は、流身の右側より左側のほうが易しそうに見える。小滝の上にも小滝が続いて約30分、中国自動車道の赤い高架と浦石橋を潜った先でトクジロウ淵に出会う。水流の左を登る。しばらく明るいゴーロの河原が続く。ウシロ谷の出合を過ぎると再びゴルジュになり、小滝の先に三連滝F4が現れる。名著「西中国山地」のトポ情報によれば、アベウシの滝になる。が、中段・上段のゴルジュ淵に大きな牛が迷い込むとは、とても思えない。やはり、「西中国山地の沢」のトポ情報に示されているように、上流の10m滝(F8)とするほうが理に適う。さて遡行であるが、下段は簡単で、中段も泳いで取り付けばインゼルの左が容易いが、上段は登った記憶がない。そもそも泳ぎたくないので、寒さ対策を施した来年、チャレンジすることにして、下段落口から右岸を高巻いた。上段落口から見下ろす限り、そう簡単ではない。

F5(11:27) 

F6(11:34) 

F7(11:47)

アベウシの滝F8(12:08)

コヤノ谷の瀬戸F9(12:23)

F10(12:43)
続くゴルジュの斜滝F5は右岸をへつり、さらに小滝を二つ越えてスラブ滝F6に出会う。泳いで滝直下に取り付けば容易に越えられそうだが、アイコンタクトだけして、左岸を巻く。淵のある斜滝F7は右岸をへつって登る。上にはゴルジュの中に大ゴーロが少し続いて、アベウシの滝F8が現れる。ここの淵も両岸が切り立っており、F4ほどではないにしても、牛が迷い込むのは容易ではない。どっちにしても、不思議な伝承である。F8は左岸を登る。落口はきれいなナメ床になって開け、明るい河原が少し続いたあとゴルジュ滝F9が現れる。コヤノ谷の瀬戸と呼ばれるところで、F9は浦石峡遡行のハイライトと言われている。ここもあっさり右岸を高巻いたが、次回は是非とも水流右のツルツルラインに挑戦してみたい。ハーケンが連打されているので、登れるらしい。V字ゴルジュを抜けて小滝を越えると、スラブ滝F10が現れる。右岸を巻いたが、左岸をへつってトユ状の水流をシャワークライムすれば越えられる、と思う。

F11(12:57)

F12(13:44)

大人の足跡とF13(13:35)

木目の滝F14(13:59)

木目の滝F14(14:00) 

寂地峯尾遊歩道入口の下(14:18) 
F10の上は両岸がスギと闊葉樹が混生する明るい谷になって開け、小滝を三つ越えたあとに斜滝F11と出会う。水流の左端を立って直登できる。すぐ上の歩道橋を潜ると、明るいゴーロの谷が40分計り続いて、スラブ滝F12が現れる。途中に小滝四つ、古い取水堰、小滝三つが配され、木漏れ日に輝く美しい川床を歩くのは、とても心地がよい。そして最後の三連のスラブ大滝を遡るのは、とりわけ愉しい。F12の下部は水流の右が階段状になっている。上部のスラブは際の灌木を木登りする。「大人(おおびと)の足跡」と呼ばれる甌穴を釜にするF13は左岸を登る。そして、心地よいナメ床の先に木目滝F14があり、木目水流を間近に見て左岸を登る。F14の上にも200m計り美しいナメ床が続いて二俣になり、右谷の赤い鉄橋の下を遡行終了点とした。沢靴を履き替えて遅い昼食を取る。すぐ上が寂地峯尾遊歩道入口のある浦石林道で、辿って起点に還る。

宇佐川大滝(8:52)

スラブ滝F12(13:42)



軌跡図
                                                   所要時間:7時間38分、歩行距離:11.0㎞ 
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。