後方羊蹄山(しりべしやま) 
 
2人 2015.07.06 
羊蹄山自然公園真狩キャンプ場駐車場(6:14/24)→真狩コース登山口(6:30)→南コブ分岐(6:57)→二合目(7:06)→四合目(7:50)→六合目(9:04)→九合目(10:18)→火口壁コル(10:48)→真狩ピーク(11:01/24)→山頂(11:42)→京極コース分岐(11:46)→北山分岐(11:53)→旧小屋跡(12:02)→火口壁コル(12:10)→五合目(14:09)→登山口(15:38)→起点(15:48) 
アルバム

ぬくもりの宿ふる川(5:16)

羊蹄山自然公園の金刀比羅神社(6:15)
 

羊蹄山登山センター・真狩キャンプセンター(6:20)

真狩コース登山口(6:30)
カミさんと北海道の山旅に出かけた。今回選んだのは、羊蹄山(ようていざん)こと後方羊蹄山(しりべしやま)。深田久弥は「日本百名山」の中で、羊蹄とはギシギシの漢名で「し」と読み、羊蹄山だけでは「し・山」になるので、「後方羊蹄山」の使用を推奨している。そして、後方羊蹄山の北には尻別(シリ・ペツ)川が、南には真狩(マク・カリ)川が、それぞれ山を廻るようにして流れていることが山名の由来ではないか、と述べている。定山渓温泉の宿を早立ちし、R230号線を登山口のある真狩村に向かう。谷あいの濃い霧が、好天の先触れであることを祈る。中山峠を越えると、西の彼方に目指す名峰が雲海に浮かんでいた。南アルプスの高峰から眺める富士の姿に劣らない。宿から1時間足らずで、羊蹄山自然公園真狩キャンプ場に着いた。駐車場の左上にある金刀比羅宮にお参りして、山旅の安全を祈願する。目指すお山は、すっぽり雲に包まれている。登山口で入山記帳をして、朝霧に煙るエゾマツ、トドマツ林の登山道に踏み入る。
   

一合目(6:47)

四合目(7:50)
   

尻別山、ホロホロ山 五合目半あたりから(8:45)

耐雪圧型化したダケカンバの巨樹(六合目あたり)(9:20)
 

九合目(10:18)

羊蹄山避難小屋 後はニセコアンヌプリ(10:33)
山体が大きいので山頂までの道のりが半端ではない。合目間がとても長いが、カミさんには観念してもらって、地道にコツコツ、カメさんペースで高度を上げる。三合目を過ぎると、南面が開けたところが出てきて、雲海の彼方に昆布岳などを同定することができた。四合目から上は、急こう配の南面にジッグザッグに道が刻まれ、そのへりで耐雪圧型化したダケカンバの巨樹が目を楽しませてくれる。七合目を過ぎると高嶺の花が目につくようになり、それは八合目の涸れ沢横手道で佳境に入り、火口壁まで続く。高山植物に親しみながらの登行は疲れを忘れさせてくれ、九合目を素通りして稜線に出た。一気に視界が開け、行く手になだらかな火口壁の連なり、左にニセコ連山を背にした山小屋、という美しい景色が広がった。
   

火口壁コル(10:48)

真狩ピーク 後は喜茂別ピーク(山頂)(11:03)
   

父釜 南側の火口壁より(11:28)

三角点ピーク(左)と山頂 山頂南西の岩稜より(11:35)
   

エゾシマリス 山頂直下(11:42) 

後方羊蹄山山頂(喜茂別ピーク(11:43))
道のへりで咲き誇るシラネアオイやキバナシャクナゲなどに背中を押されて、火口壁コルに上がる。ここまで4時間24分の道程である。うーむ、カミさんは自分を褒めてよい、と思う。火口壁を左に取って真狩ピークに立つ。最高点の喜茂別ピーク(標高1898m)はもう少し先だ。この際、下山時の安全を考え、カミさんは真狩ピーク(標高1860m)までにして、火口壁コルで待っていてもらうことにする。少々早いが、真狩ピークのケルンに腰掛けてお弁当を食べる。四周のパノラマと足下の父釜の景色を目にして、固いコンビニ結びに文句は言えない。昼はんを早々に切り上げ、カミさんを残して火口壁周りに出発。岩稜ルートをトレランペースで辿る。行く手の眼下に尻別岳(前方羊蹄山)が、綿雲の流れに見え隠れしている。喜茂別ピークで折よくエゾシマリスに出会う。
 

京極ピークと京極コース分岐(11:47)

火口中央道分岐(11:59)

母釜 火口中央道のピークより(11:59)

旧小屋跡(12:02)
京極ピークを過ぎると、火口壁は広い砂礫地になる。北山への道を捨てて、火口壁中央道に入る。左に父釜、右に母釜子釜を見て、旧小屋跡に上がる。コンクリート基礎が残る広いピークは、倶知安方面を一望する絶佳の展望台になっていた。
   

火口壁コル 向かいは真狩ピーク(12:09)

真狩村 三合目半あたりより(14:49)

南コブ分岐(15:16)

真狩キャンプ場駐車場 後方羊蹄山は雲の中(15:50) 
真狩ピークから火口壁コルまで45分を要し、カミさんが待ちくたびれていた。おかげで火口の景色を十分堪能したとのこと。そろりそろりと、下山を開始する。程なくして、カミさんが上りでは気付かなかったクルマユリやエゾカンゾウの蕾みを見つける。うーむ、あたりを見回す余裕は蘇っているが、時おり小刻みに震える膝元が気にかかる。花の少ない八合目から下は、歩きに専念。六合目で休んだだけで、カメさんペースで下り続けた。三合目半あたりの展望所では、眼下の雲が消えて真狩村や尻別岳がよく見えた。カミさんは、そんなもの眼中にないかのごとく通り過ぎ、黙々と下って登山口に降り立った。火口壁コルから3時間28分の道程。決して早くはないが、よく頑張ったカミさんの頭をなでてあげる。キャンプ場の道をポレポレ起点に還り、お山を顧みれば、もはや上の方は雲の中。山の神様に感謝して、今夜の宿「休暇村支笏湖」に向かう。
出会った草花 
オオダイコンソウ(バラ科)
マイヅルソウ(ユリ科)
ゴゼンタチバナ(ミズキ科) 
     
コメバツガザクラ(ツツジ科) イワブクロ(ゴマノハグサ科) ノウゴウイチゴ(バラ科)
   
マルバシモツケ(バラ科)
ウコンウツギ(スイカズラ科)
チシマフウロ(フウロソウ科
     
オオカサモチ(セリ科) ハクサンチドリ(ラン科) ウラジロナナカマド(バラ科)
     

シラネアオイ(キンポウゲ科)

キバナシャクナゲ(ツツジ科)

ミヤマキンバイ(バラ科)
     

エゾノツガザクラ(ツツジ科)

エゾノイワハタザオ(アブラナ科)

イワベンケイ(ベンケイソウ科)
     

カラマツソウ(キンポウゲ科)

ミヤマオダマキ(キンポウゲ科)

エゾカンゾウ(ユリ科)
     



軌跡図
                                                   所要時間:9時間24分、歩行距離:15.5㎞