岩木山・八甲田・十和田湖 |
4人 2012.07.08-11 |
7/8 ☀|☁ 九合目(12:35/53)→鳥の海噴火口(12:56)→鳳鳴ヒュッテ(13:05)→テラス(13:16)→岩木山山頂(13:23/42)→九合目 7/9 ☁|☀ 酸ケ湯公共駐車場(8:27)→登山口(8:31)→広場(8:45)→地獄湯の沢(9:29)→仙人岱湿原・八甲田清水(9:57)→高田大岳分岐(10:02)→鏡沼(10:32/42)→八甲田大岳山頂(10:48/58)→大岳避難小屋(11:16)→上毛無岱休憩所(12:03/23)→下毛無岱休憩所(12:47)→城ヶ倉分岐(13:15)→酸ケ湯温泉(13:33)→出発点(13:40) 7/10 ☀|☁ 焼山バス停(9:01)→紫明渓(9:19)→黄瀬(9:28)→惣辺(9:47)→三乱の流れ(9:58)→石ヶ戸(10:09)→馬門橋(10:26)→阿修羅の流れ(10:31)→雲井の滝(10:47)→白布の滝(10:54)→白銀の流れ(11:14)→玉簾の滝(11:26)→銚子大滝(11:52)→五両の滝(12:00)→子ノ口水門(12:12)→子ノ口遊覧船乗場(12:18) |
7/8 伊丹空港行きのバスは順調に運行し、余裕で搭乗手続きを済ませる。晴れ間がのぞく青森空港に降り立ち、早々に車をレンタルして岩木山に向かう。鰺ケ沢街道の嶽温泉の先1㌔のところで、岩木山スカイラインに入る。69のカーブが連続する超九十九折の道で、終点の八合目まで20分の道程である。さらに九合目までリフトでラクチンをして、立派な避難小屋でお弁当を食べる。東に60mばかり下り、鳥の海噴火口の鞍部に出る。噴火口の北側に回り込んで東に向かうと鳳鳴ヒュッテがあり、南に百沢コースが下っている。ヒュッテの前から、二のおみ坂、三のおみ坂と階段径をたどり、岩木山山頂に立つ。リフト上駅からの所要時間は約30分である。山頂には休憩棟や鐘の下がるモニュメントが建ち、岩木山神社奥宮が鎮座している。絶佳の眺望とはいかないが、雲の切れ間から津軽平野を見下ろす。下山するころには雲が薄らぎ、鳥の海噴火口の雪田の様子や岩木山の頂稜を間近に眺めることができて、みんな大満足、と思う。そして、宿に向かう途中に立ち寄った城ヶ倉大橋からの景観にも感激した、と思う。 7/9 城ヶ倉温泉の一軒宿HOTEL jogakuraは、八甲田では最高級のリゾートホテルである。外側は黒板で覆って、ロッジ風になっている。冬季は山岳スキーのガイドが常駐しているらしい。女性三人には浴室で使用しているボディーソープとシャンプーのセットがプレゼントされる。明け方に降っていた雨が上がったので、早朝散歩に出かける。東奥に城ヶ倉神社かあって、拝殿下の池にはニジマスが泳いでいた。毛無岱への取付がある山裾の池とつながっていて、そこには大きな黒鯉もいた。ホテル東隣りの大きなログハウスには人は居ないようで、オーナーの別荘なのかもしれない。ホテルの周りにブナとミズバショウをめぐる遊歩道があるが、さほどのことはない。ホテルに戻り、気になっていた城ヶ倉大橋について調べてみると、竣工は平成7年10月、上路式アーチ橋としては日本一の長さ(360m)を誇り、橋の高さは122mという。なるほどである。おしゃれなバイキングをたらふく食べて、8時過ぎにチェックアウトする。ホテルから2分の酸ケ湯温泉公共駐車場に車を駐める。インフォメーションセンター前の道路(R103)向かいに、仙人岱経由の八甲田大岳登山口がある。ぬかるんだ径を上っていくと、間もなく広場に出る。かつて火山性ガスが噴出してダケカンバやネマガリタケが立ち枯れてできたものだという。樹林帯の上り径がしばらく続き、南八甲田が見渡せるところから地獄湯ノ沢に下る。木の橋を渡って左岸に立つと、硫黄の臭いが強くなる。沢沿いの径はやがて平坦となり、花々に迎えられて仙人岱湿原に着く。八甲田清水で一息入れて、北に向かう。残雪の上を歩いて樹林帯に入るが、すぐに森林限界に達する。火山礫の急坂をひとのぼりして、鏡池で一休み。八甲田大岳の山頂はガスに包まれ、早々に毛無岱へ向けて下山を開始する。急な残雪の上を恐る恐る下って大岳ヒュッテに達し、トイレ休憩。上毛無岱の休憩所でお弁当を食べて、湿原の草花に癒されながら、のんびりと酸ケ湯温泉に還る。宿に向かう途中で、睡蓮沼に寄り道して八甲田連山を眺める。いずれの頂稜にも雲が湧いていたが、これも趣があって良い。 7/10 明けて、好天である。早朝散歩に出かける。十和田荘の入口にシロヤナギの巨樹があり、寄り添うように啄木の歌碑「夕雲に丹摺はあせぬ湖ちかき草舎くさはら人しずかなり」が立っている。十和田道を西進して、休平(やすみたい)から桂ヶ浜を歩き、神田川河口で両国橋を眺める。小川にコンクリートの橋が架かる何でもない風景なのに、心地よいのは何故だろう。ゴミ一つない、きれいに刈り払われた河畔のせいだけではあるまい。十和田湖が醸し出す何かがある。湖畔の巨樹の下を逍遥して宿に還る。朝食を済ませ、JRバスで焼山に向かう。女性三人は石ヶ戸で途中下車して先行。渓流館前から探勝路が始まる。水はけの悪いところにはウッドチップが敷かれ、とても歩き易い。渓畔林の自然を独り占めにして歩く。瀬を急ぎ、淵に留まり、ひそやかに憩う奥入瀬の流れ、である。水量は豊富で変化に富んでいるのに、総じて穏やかなのだ。とりわけて渓畔林が美しい。紫明渓の河原の広がり、ほどよく配された岩間を下る三乱の流れ、石ヶ戸、馬門岩の奇岩・巨岩の不思議、そして奥入瀬を代表する男性的な阿修羅の流れとめぐり、遡る。阿修羅の流れを過ぎて2、3分もすると、激しい瀬音が聞こえてくる。平成の流れである。平成11年の大崩落で流れが堰き止められて出来たという。どうみても滝である。千筋の滝を対岸に見ると、間もなく雲井の滝になる。道路をまたいで養老沢に踏み込み、20m三段の滝を間近に見る。遊歩道に戻るとすぐ白布の滝が現れる。晒を垂らしたような姿の直瀑である。公衆トイレを過ぎると間もなく玉簾の滝となるが、遊歩道からは見えない。少し先で道路に出て引返す。大岩の上を玉簾のような姿で流れ落ちている。白絹の滝、白糸の滝、不老の滝、姉妹の滝、九段の滝と続いて、佐藤春夫の詩碑に至る。前方に銚子大滝が見える。高さ7m、幅20mの名の由来は、十和田湖を銚子(とっくり)に見立てた場合、この付近がその注ぎ口にあたることからきているらしい。バス停に上がると、右岸の歩道は閉ざされている。百両橋まで車道をたどり、五両の滝に寄る。子ノ口水門までを万両の流れといい、千両岩と合わせて壱万壱千百五両の眺めという。水門で三人に追いつき、揃って子ノ口橋を渡る。奥入瀬川が美しく始まっている。子ノ口から休屋まで湖上遊覧を愉しむ。十和田湖は、標高400mの山上に水をたたえる二重カルデラ湖で、最大深度327mは日本第三位である。約1100年前に現在の姿になったという御倉半島の先端を回り込むと、千丈幕の懸崖が現れる。柱状節理の見事な造形美である。続く五色岩は、五色岩火山の火口壁で、酸化鉄の赤い色が目を引く。中湖(なかのうみ)を回遊して、中山半島の先端を回り込んで休屋に入港する。道中、千鶴崎、見返りの松、六方石、鎧島、甲島など、湖上からしか見ることのできない景色を堪能する。シナノキなどの巨樹が立ち並ぶ湖畔歩道を北に向かう。恵比須大黒島の手前から御前ヶ浜がはじまる。十和田神社の前庭という意味らしい。一番奥まったところに、「乙女の像」がある。昭和28年秋、国立公園指定十五周年を記念して建立されたもので、顔は作者高村光太郎の妻智恵子をモデルにしているという。十和田神社にお参りしたあと、開運の小路を通って宿に帰る。みんなお疲れの様子だが、この際、瞰湖台(かんこだい)、発荷峠(はっかとうげ)の展望台めぐりに出かける。 7/11 明けて、最終日も好天。早朝散歩に出かける。湖畔歩道を歩くと、朝霧が漂い、伝説の大蛇がひそんでいそうな、神秘の湖そのものが開けている。向かい合う二人の裸形の乙女が、朝もやの中に立っている。その姿は美しく、十和田湖の自然と調和し、呼応している。十和田神社の女坂から、急な木造階段を登って中湖展望台に行く。樹木に遮られて展望台とは名ばかり。占場に降りる鉄梯子があるが、鉄条網が巻かれているので、おとなしく宿に帰る。朝食を済ませて、8時過ぎに宿を出る。昨日に続く十和田湖展望台めぐり。はじめに滝ノ沢峠展望台に寄るが、樹間越しの十和田湖は写真を撮る気にもならない。次の御鼻部山(おはなべやま)の眺めは、素晴らしい。御倉、中山の両半島が鏡のような湖面に浮かび、遠く岩手山、八幡平まで見渡せた。旅の終わりは、弘前観光。観光館の山車の展示館、植物園のハナショウブ、東北随一という弘前城天守、城内を埋め尽くす2,600本の桜、本丸から見た岩木山、などを思い出に、無事、青森空港に還る。 |
岩木山八合目リフト乗場(7/8 12:25) |
大倉岩 鳳鳴ヒュッテより(13:06) |
岩木山山頂(13:23) |
岩木山山頂 津軽平野を一望(13:37) |
岩木山 鳥海山北面より(14:13) |
城ヶ倉大橋(16:47) |
HOTEL jogakura(7/9 5:04) |
大岳登山口(8:27) |
地獄湯ノ沢(9:29) |
仙人岱・八甲田清水(9:57) |
鏡池(10:32) |
八甲田大岳山頂(10:49) |
大岳北面の雪渓(11:12) | 上毛無岱(12:31) |
下毛無岱 急な木造階段より(12:37) |
睡蓮沼(14:16) |
焼山JRバス停 渓流の駅(7/10 9:01) |
紫明渓(しめいけい)(9:17) |
三乱(さみだれ)の流れ(9:58) |
石ヶ戸(いしげど)(10:09) |
馬門岩(まかどいわ)(10:24) |
阿修羅(あしゅら)の流れ(10:31) |
平成の流れ(10:34) |
雲井の滝(10:48) |
白布(しらぬの)の滝(10:58) |
銚子大滝(11:52) |
子ノ口水門(12:12) |
奥入瀬川を渡って子ノ口JRバス停へ(12:16) |
小倉山(おぐらやま) 遊覧船より(12:47) |
十和田湖中湖 瞰湖台より(14:35) |
乙女の像(13:51) |
十和田神社(13:58) |
占場(うらないば)の祠(7/11 6:27) |
十和田湖 御鼻部山展望台より(9:15) |
軌跡図 |
所要時間:2時間02分、歩行距離:2.77㎞ |
所要時間:4時間09分、歩行距離:9.69㎞ |
所要時間:3時間17分、歩行距離:15.6㎞ |
出会った草花など | ||
ウコンウツギ(鬱金空木) スイカズラ科 |
ミヤマキンバイ(深山金梅) バラ科 |
マネバシモツケ(丸葉下野) バラ科 |
ミネヤナギ(峰柳) ヤナギ科 |
ヤンマ科のトンボ(岩木山山頂) |
ハクサンチドリ(白山千鳥) ラン科 |
ニッコウキスゲ(日光黄萓) ユリ科 |
タニウツギ(谷空木) スイカズラ科 |
イワカカミ(岩鏡) イワウメ科 |
ミネザクラ(峰桜) バラ科 |
チングルマ(稚児車) バラ科 |
ヒナザクラ(雛桜) サクラソウ科 |
ベニバナイチゴ(紅花苺) バラ科 |
ミヤマトウキ(深山当帰) セリ科 |
イワイチョウ(岩公孫樹) ミツガシワ科 |
シヨウジヨウバカマ(猩々袴) ユリ科 |
ヨツバヒヨドリ(四葉鵯) キク科 |
クモマニガナ(雲間苦菜) キク科 |
ミヤマオダマキ(深山苧環) キンポウゲ科 |
ウサギギク(兎菊) キク科 |
ミツバオウレン(三葉黄蓮) キンポウゲ科 |
ツマトリソウ(褄取草) サクラソウ科 |
ツルシキミ(蔓樒) ミカン科 |
ミズバショウ(水芭蕉) サトイモ科 |
オオバミネカエデ(大葉峰楓) カエデ科 |
ハクサンシャクナゲ(白山石楠花) ツツジ科 |
イソツツジ(磯躑躅) ツツジ科 |
ウラジロヨウラク(裏白瓔珞) ツツジ科 |
ネバリノギラン(粘芒蘭) ユリ科 |
ゴゼンタチバナ(御前橘) ミズキ科 |
ミツガシワ(三槲) ミツガシワ科 |
ワタスゲ(綿菅) カヤツリグサ科 |
ズダヤクシュ(喘息薬種) ユキノシタ科 |
オオバキスミレ(大葉黄菫) スミレ科 |
コウリンタンポポ(紅輪蒲公英) キク科 |
レンゲツツジ(蓮華躑躅) ツツジ科 |
オニシモツケ(鬼下野) バラ科 |
ミヤマカラマツ(深山唐松) |
エゾアジサイ(蝦夷紫陽花) ユキノシタ科 |
シャラノキ(娑羅樹) ツバキ科 |
アサダ カバノキ科 |
オオバミネカエデ(大葉峰楓)の虫癭 |
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