十方山 |
単独 2011.02.19 ☀ |
二軒小屋Ⓟ(7:50/58)→シシガ谷分岐(8:44)→水越峠(8:55)→十方山北峰(9:45)→十方山南峰(9:55/10:02)→論所(10:10)→奥三ツ倉(10:19)→中三ツ倉(10:39)→丸子頭(11:10)→昼食(11:20/49)→藤本新道分岐(12:19)→恐羅漢公園線(12:44)→二軒小屋Ⓟ(12:55) |
戸河内横川(よこごう)を起点に十方山の稜線歩き。恐羅漢公園線は除雪が行き届いて、路面に雪がほとんど残っていない。二軒小屋Ⓟの僅かな除雪エリヤに車を駐める。気温-6℃、好晴。横川川左岸の緑資源幹線林道を辿る。例年にない積雪で林道はどこまでもフラット。よく締まった雪面にクランポンが効いて、快適なスノーシューイングを愉しむ。シシガ谷の夏径を捨てて林道をたどり、二軒小屋Ⓟから1時間で水越峠に着いた。先週の苦労(駄荷⇔瀬戸滝)が嘘のようだ。水越峠からは、西の急斜面に取り付いて尾根に上がる。そこは、勾配はあるものの、シシガ谷の暗い林間のルートに比べれば、明るく歩き易い別天地だった。おまけに、振り返れば、五里山塊が指呼の間に広がっている。積雪期の十方山はこのルートが秀逸だ。水越峠から50分で十方山北峰に立つ。大岩は雪に埋もれて影も形もない。時間的にはシシガ谷ルートと同じであるが、断然こっちが良い。南東に目をやると、彼方の雲海に大きな山なみが横たわっている。形からして、右から石鎚山、瓶ヶ森、伊予富士、寒風山、笹ヶ峰、赤石山に違いない。双眼鏡を持ってこなかったことが悔やまれるが、めったにお目にかかれない眺めに出合えて、これ以上の幸せはない。十方山頂稜は、かつて経験したことのない雪の多さで、見通しは良いのに、南峰へのルートファインディングを戸惑うほど。南峰に踏跡はない。標柱の周りに雪を見るのも、久しぶりだ。風のない静かな山頂で、西中国山地の冬景色を独り占めにした。奥三ツ倉に立って顧みれば、論所から南峰にかけて、雪に覆われた大らかな起伏が、富良野の冬景色のようにも見える。奥三ツ倉から中三ツ倉に向かう稜線で、ブナの木にたくさんの熊棚を見た。昨秋はブナの実の豊作年だったのかもしれない。ブナが豊作だと、野ネズミが大繁殖すると言われる。一般に木の実は、動物たちに全ての実を食べられてしまうのを防ぐため、定期的な豊凶の波を持つ。これをマスティングと呼ぶ。しかしブナには豊凶の定期性がないとされる。次の豊作は1年後かもしれないし、7年後かもしれない。木の実そのものに毒成分がない代わりに、豊凶の落差が毒なのである。もし熊が増えているとしたら、今年の秋は食糧難に苦しみ、熊が里に出てくるのだろうか。中三ツ倉を過ぎると、前方に苅尾山と深入山が見えるようになる。丸子頭の北斜面で、山座同定を愉しみながら、昼食にする。藤本新道分岐の手前で、中年の夫婦に出会う。内黒峠と十方山をピストンするのかもしれない。それにしても、ずいぶん落ち着いた山行だ。こっちが早すぎるのかな・・・。藤本新道を下って、13時前に起点に還った。 |
横川川 死人谷出合付近(8:19) |
水越峠(8:55) |
十方山北峰山頂(9:48) |
石鎚山系遠望 十方山北峰より(9:47) |
十方山南峰(9:55) |
ブナに残る熊棚 奥三ツ倉北面(10:25) |
苅尾山(左)と深入山 中三ツ倉北面より(10:49) |
藤本新道取付(12:38) |
ボーギのキビレから恐羅漢山へ続く山稜 十方山北峰北西面より(9:37) |
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軌跡図 |
所要時間:4時間57分、歩行距離:11.0㎞ |