象山(ぞうさん)三平山(みひらやま)朝鍋鷲ヶ山(あさなべわしがせん)
 
4人 2010.09.18-19
9/18 
鏡ヶ成(11:20/40)→象山(12:17/45)→鏡ヶ成湿原(13:06/20)→鏡ヶ成(13:23/33)⇒大山情報館Ⓟ(14:10)→圓流院(14:43)→阿弥陀堂(15:07)→利生水(15:20)→風穴(15:26)→大山寺本堂(15:40)→金門(15:57)→大山寺情報館Ⓟ(16:30)
9/19 
三平山登山口(7:34)→土塁(8:05)→三平山(8:22)→穴ヶ乢(8:52)→国体コース分岐(9:43)→朝鍋鷲ヶ山(9:50/10:06)→国体コース登山口(10:43)→穴ヶ乢取付(11:13)→出発点(11:33)
アルバム

休暇村奥大山本館 芝生広場より(9/18 11:30)

鏡ヶ成湿原への遊歩道を行く(11:41)
9月連休の山行は、昨年に続いて大山・蒜山地区。先ずは体慣らしに、象山と鏡ヶ成湿原を散策。鏡ヶ成は、烏ヶ山、象山、擬宝珠山に囲まれた標高930mの盆地状の高原で、休暇村「奥大山」の各種施設(宿泊施設の本館、ロッジ、キャンプ場、スキー場、自然学習歩道など)が整備されている。休暇村本館の東に遊歩道入口があり、60m入った所で象山への径が分かれている。鏡ヶ成湿原は、大山地区においては数少ない貴重な湿原であるが、現在乾燥化が進行している。周辺の草原ではススキが繁茂し、かつて見られた希少な草原植物が減少しているという。
 

象山山頂(12:17)

鏡ヶ成スキー場下の遊歩道で(13:06)
麓から約40分で象山の頂上。北側は潅木が茂っているが、南側の眺めは素晴らしい。眼下には箱庭のように休暇村が広がり、遠くを見やれば、南東に皆ヶ山と蒜山三座、南に三平山、朝鍋鷲ヶ山の山なみが同定できた。真夏並みの炎天下で昼食にする。象山南面の急な階段道から湿原北東の鞍部に降り、スキー場の下に出て、湿原に入った。スキー場のススキの原が湿原の東端まで侵食しているように感じる。湿原の花々はまばらだ。沢蓋木の青い実や樊会草は全く見当たらない。これも異常気象のせい?
 

マツムシソウのお花畑で(13:24)

角磐山大山寺塔頭圓流院(14:43)
鏡ヶ成散策最後の仕上げは、マツムシソウの観賞。ロッジの前に植栽されて、見事に群生している。象山の頂上付近にも自生して、径行く人を慰めてくれるが、こちらのお花畑もそれなりに美しい。自然探勝の次は古道散策をと、大山寺にやってきた。最初に訪れたのは、大山寺塔頭圓流院。弘化3年(1846)に大山雑考を編んだ画僧然が院主となったお寺。水木しげるの妖怪天井画がある。拝観料500円也。
   

阿弥陀堂(15:07)

氷室(風穴)15:26)
阿弥陀堂は、大山寺に現存する最古(室町末期)の建築物。平安初期に創建、藤原期に建立され、享禄2年(1529)に山津波で倒壊。天文21年(1552)、現在の場所に再建されたと云われる。建物、仏像とも国の重文。この日は開帳日で、阿弥陀如来三尊を拝観できた。利生水から横手道をたどると、南光河原に下る手前に氷室がある。山の斜面を降りてくる冷気を利用した冷蔵庫で、明治以降は降り積もった雪をこの中に詰めて氷をつくったり、蚕の卵を貯蔵しておき、それらを米子方面へ売ったと云う。
   

宝牛(15:40)

天台宗別格本山大山寺本堂(15:45)
宝牛は、牛の霊を慰めるために鼻ぐりの銅で鋳造し、岡山市の宗教団体「福田海」より寄進された像で、別名を撫牛とも云う。一つの願いだけを心に念じて撫でると願いを叶えてもらえるという縁起の良い牛。大山寺は、養老年間(1300年前)に金蓮上人によって開基。平安時代には西日本における天台宗の一大拠点となり、最盛期には160を超える寺院と3千人以上の僧兵を抱えていたと云う。昭和26年に再建(昭和3年焼失)。
   

金門(15:57)

和合の岩(16:11)
佐蛇川の峡谷部・金門は、かつてもっと狭い谷で、大山寺への参道として使われていた。参道の幅を広げた直後の大水で金門は流路になってしまったと云われている。河原には卒塔婆が積まれている。和合岩と杉の老樹が、不思議なほど自然に調和しているのでこの名がある。子供が欲しい人、良いお嫁さん、お婿さんの欲しい人などがこの和合の岩にお祈りすると願いが叶えられると伝えられている。
   

三平山登山口(9/19 7:37) 

土塁の上に付けられた径(8:11)
翌日は予報どおりの好晴。三平山登山口には、既に車が1台駐められていた。登山口の先のトイレで用事を済ませ、良く整備されたジッグザッグの径を登って行くと、30分で土塁のある稜線に出た。この土塁は、明治31年(1898)蒜山の原野2,300haが陸軍の軍馬育成場とされた時に建設された放牧囲いの跡。総延長56㎞に及ぶ大工事だったそうで、現在も46㎞が残存して往時を偲ばせている。
   

三平山山頂(8:22) 

穴ヶ乢(8:52)
三平山の頂上は草原の原で、四周遮るものがなく、弓ヶ浜、大山、烏ヶ山、皆ヶ山、蒜山三座と、素晴らしい眺望が愉しめる。山頂標柱の横に明治5年(1872)4月に建てられたと云う豊年様(とよとしさま)の石祠があった。祭神は豊受大神(食産霊神)で、麓の白髪地区の人たちによって毎年5月11日に祭礼が行われているようだ。朝鍋鷲ヶ山への縦走路に入り、急な斜面を下って行くと、暗い谷底のような峠、穴ヶ乢に出た。この峠を挟んだ県境稜線の径は、下るのも上り返すのも、一級の急坂である。
   

朝鍋鷲ヶ山山頂(9:50)

穴ヶ乢入口(11:13)
穴ヶ乢から朝鍋鷲ヶ山までは約1時間の道程。頂上広場は潅木に囲まれているが、展望台に上がれば、四周を見晴るかすことができる。平成17年に開催された国体山岳競技の最終ゴール地点となった頂上には、「感動の碑」が立っている。穴ヶ乢から朝鍋鷲ヶ山への急坂に恐れをなし、帰路は国体コースを下って林道に出た。国体コースの上部はかなり茂っている。林道をたどり、30分で穴ヶ乢入口、さらに20分で車が満杯状態の三平山登山口に帰り着いた。
出会った草花 

マツムシソウ(松虫草) マツムシソウ科 

キュウシュウコゴメグサ ゴマノハグサ科 

オミナエシ(女郎花) オミナエシ科 
     

サワヒヨドリ(澤鵯) キク科
 

キセルアザミ(煙管薊) キク科 

ゲンノショウコ(現証拠) フウロソウ科 
     

ヌマトラノオ(沼虎尾) サクラソウ科 

アキノキリンソウ(秋麒麟草) キク科

シオガマギク(塩釜菊) キク科
     

ジャコウソウ(麝香草) シソ科 

クサボタン(草牡丹) キンポウゲ科

タムラソウ(田村草) キク科 
     

カワラナデシコ(河原撫子) ナデシコ科
 

シロヨメナ(白嫁菜) キク科

ホツツジ(穂躑躅) ツツジ科
     

キキョウ(桔梗) キキョウ科 

ワレモコウ(吾亦紅) バラ科 

ママコナ(飯子菜) ゴマノハグサ科
     

モミジハグマ(紅葉白熊) キク科 

サラシナショウマ(晒菜升麻) キンポウゲ科

ツルニンジン(蔓人参) キキョウ科 
     



軌跡図 
                                                   9月18日 所要時間:1時間43分、歩行距離:3.5㎞ 
9月19日 所要時間:4時間03分、歩行距離:9.9㎞