一切経山・磐梯山 |
4人 2010.07.30-31 |
7/30 ☁|☀ 浄土平(14:35/42)→酸ヶ平避難小屋(15:28)→一切経山(15:52/55)→浄土平(16:47) 7/31 ☀|☁ 八方台登山口(8:330/37)→中ノ湯跡(9:03)→分岐(9:58)→弘法清水(10:06)→磐梯山(10:38/43)→弘法清水(11:23/42)→お花畑→八方台登山口(13:16) |
磐梯スカイライン天狗の庭(7/30 14:15) |
浄土平ビジターセンター前の駐車場(14:42) |
磐梯吾妻道路は、高湯温泉から土湯峠までの全長29㎞の有料道路で、日本の道100選に選ばれている。井上靖が名付けた「天狗の庭」は、ビューポイントの一つ。ここから眺める吾妻小富士は秀逸なのであるが、あいにく霧のベールに包まれていた。浄土平に着く頃には、霧はすかり流れ去り、風は強いが高曇りの天気。願ってもない山行日和である。みんな歓喜して、浄土平ビジターセンター前の駐車場に降り立つ。出発時間の遅れが気にはなったが、足慣しのつもりで、一切経山に向かった。 | |
浄土平湿原(14:44) |
酸ヶ平湿原 酸ヶ平避難小屋上の急坂より(15:33) |
ビジターセンターの西側に広がる浄土平湿原には、湿原探勝用の立派な木道が整備されている。浄土平からの吾妻山登山は、この木道を行って取り付く。湿原にはイソツツジ、ワタスゲ、イワカガミ、モウセンゴケなどが生育しているらしいが、花らしい花に出合うことはなかった。一切経山と東吾妻山の間にある蓬莱山の西面を巻いて上ると、酸ヶ平(すがだいら)分岐に出た。酸ヶ平は奥に大きな鎌沼が控える高層湿原である。可憐なリンドウやオトギリソウなどに出会えて、ホッとする。分岐を右に折れて、避難小屋の先のガレた急坂から振り返ると、酸ヶ平が一望できた。 | |
吾妻小富士 一切経山南陵より(15:46) |
一切経山山頂(15:52) |
一切経山の南稜まで上ると、火山特有の山容となって四周が開ける。東側の斜面に目をやれば、吾妻小富士のスリバチが大きな口を開けて、見るものを圧倒する。駐車場から周遊1時間とか。一切経山直登ルートの分岐から15分で山頂。風が強く時間も遅いので、登山者は他に一組だけ。四周遮るものはなく、家形山、烏帽子山、昭元山、東大巓などがよく見えた。 | |
五色沼 一切経山より(15:54) |
東吾妻山と酸ヶ平 直登ルート分岐附近より(16:10) |
一切経山の頂上部は広く、山頂から五色沼を見下ろすことはできない。北西に少し下りると、眼下にコバルトブルーの湖面が目に飛び込んできた。その鮮やかな色彩は息をのむほどに美しいが、日の光あってのものらしい。山の神に感謝!往復2時間15分の道程を予定していたが、みんなにとっては、足慣らしどころか、一杯一杯の山行だったようだ。思いのほか時間がかかり、山頂を目前にして、直登ルート分岐から引き返してもらった。復路の足取りは、重そうだ。 | |
浄土平天文台とビジターセンター(16:478) |
八幡焼け噴気口(16:47) |
ビジターセンターと湿原の間に、やたら広い駐車場が確保されていた。紅葉のシーズンには、ここが満車になるのかも知れん。天文台は1993年に福島市が開設。日本一高い所にある公開天文台とか。一切経山では、明治26年に大きな爆発があり、近年では昭和52年に噴火、平成20年に八幡焼噴気口で約300mの噴気があって以来、100~200mの噴煙が立ち昇っている。 | |
八方台磐梯山登山口(7/31 8:38) |
すくっと立ち並ぶブナ森の道(8:42) |
休暇村裏磐梯で快適な一夜を過ごし、本命の山にやって来た。出発点は八方台登山口。7月最後の土曜日とあって、駐車場は満杯。運良く猫魔ヶ岳の登山口にスペースがあったので、もぐりこむ。取り付いてしばらくは、広くてなだらかなブナ森の中を行く。中国山地のブナのように曲がりくねったものはなく、みんなスギやヒノキのように直立して若い。整然としており、それはそれで心地が良い。 | |
中の湯分岐(9:03) |
中の湯温泉跡(9:03) |
なだらかな広い道もやがて急な尾根径となり、一汗かくと、中の湯分岐に着く。硫黄の臭いが強く、足元から温水が滲み出している。建屋の間を抜けて北に下れば、銅沼を経て裏磐梯登山口に出る。小磐梯山の北斜面にあった3箇所(上、中、下)の湯治場は、1888年の大噴火により中の湯だけが残った。1軒宿が営業していたが、1990年代後半に廃業。今は風雨に曝され、ゴーストタウンの様相を呈している。 | |
登山道は長蛇の列(9:12) |
弘法清水分岐(ここは四合目)(10:06) |
中の湯を過ぎると、カルデラ壁沿いの狭い稜線径になる。駐車場の車の具合からして、それなりの混雑は予想していたが、小学校の団体登山が幾組も入っており、ポレポレ歩行である。女房殿には願ってもない、ペース配分になったかもしれない。中の湯分岐から弘法清水まで60分。ガイドブックなどでは70分とあるから、申し分のない行程だ。磐梯山の山頂は五合目。標高が富士山の約半分であることから、大正2年に地元の有力者、小林才二氏が定めたものとか。うーむ。 | |
磐梯山山頂(1043) |
弘法清水小屋下のガレ場(12:23) |
山頂はガスの中で、20m先も見えない有様。おまけに強い風で、記念写真に納まる顔も今ひとつ。本来なら、眼下に猪苗代湖、近くに吾妻・安達太良連峰、遠くに飯豊連峰や南会津の山々が見渡せるのに。いっこうに晴れる気配がないので、早々に山頂を後にした。弘法清水まで降りて、昼食にする。それにしても大変な混雑で、頂上からここまで20分とある下りを、40分も費やしてしまう。 | |
弘法清水のお花畑ルート分岐(11:49) |
八方台登山口Ⓟ(13:16) |
帰りはお花畑ルートを下った。あいにく火口原まで見ることは叶わなかったが、天狗岩の岩峰や美しいお花畑を探勝できたので、良しとしよう。登山口に降り立つと、駐車場にはまだたくさんの車が駐まっていた。八方台コースは、アプローチが最も短く、初心者でも安心して登れるため、入山者が最も多い。三人ともまだ余裕の表情である。 | |
磐梯ビジターセンター前で(14:11) |
五色沼・毘沙門沼(14:22) |
ということで、はじめにビジターセンターで裏磐梯の自然を勉強し、次は五色沼探勝をと、毘沙門沼にやって来た。五色沼の中で一番大きく、美しいコバルトブルーの沼で、沼越しに雄大な磐梯山の火口が望める、とガイドブックにある。ここにきて余裕の表情はどこへやら。とても先に行く雰囲気ではない。五色沼湖沼群は、美しい青色を基調にしてさらに幾つかの色が混ざり合い、それぞれ異なった微妙な色合いを見せている。五色沼の水には、アロフェンと呼ばれる鉱物質(アルミニウムの含水ケイ酸塩)の微粒子が大量に含まれており、これらが水中に入った太陽光を反射することで、美しい青色が見られる。また沼の底や水草などに沈殿付着した酸化鉄により、赤褐色に見える部分もある。 | |
鶴ヶ城廊下橋(8/1 8:20) |
工事シートで覆われた鶴ヶ城(8:25) |
昨夜の宿(ビジネスホテル)は星一つ。会津観光を組まなければ、もう少しましな宿もあったのにと、またまた反省。炎天下の鶴ヶ城にやって来た。幕末戊辰の戦役に思いを馳せながら、城郭をめぐる。現在、天守閣は修復中で、平成23年の春には戊辰戦争当時の「赤瓦」の鶴ヶ城に生まれ変わるそうだ。お城の中は、平成16年に博物館としてリニューアルされており、鎧姿の学芸員が会津の歴史を解説してくれる。 |
出会った草花 | ||
ミヤマリンドウ(深山竜胆) リンドウ科 |
イワオトギリ(岩弟切) オトギリソウ科 |
マルバシモツケ(丸葉下野) バラ科 |
ヤマホタルブクロ(山蛍袋) キキョウ科 |
ミネウスユキソウ(峰薄雪草) キク科 |
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草) シソ科 |
エゾシオガマ(蝦夷塩釜) ゴマノハグサ科 |
ミヤマセンキュウ(深山川弓) セリ科 |
クルマユリ(車百合) ユリ科 |
タカネナデシコ(高嶺撫子) ナデシコ科 |
マルバダケブキ(丸葉岳蕗) キク科 |
ミヤマシャジン(深山沙参) キキョウ科 |
ミヤマシシウド(深山猪独活) セリ科 |
ヤマユリ(山百合) ユリ科 |
ガクアジサイ(額紫陽花) ユキノシタ科 |
軌跡図 |
7月30日 所要時間:2時間17分、歩行距離:6.1㎞ |
7月31日 所要時間:4時間42分、歩行距離:8.0㎞ |