
龍頭山の東にポコポコ連なる、八重三山を歩いた。道の駅「どんぐり村」交差点から広域農道に入り、県道313号烏帽子中原線合流点の千町原口バス停に車を駐める。八重三山とは、北広島町八重の里の西に連なる豊ヶ丸、樫の実、霧ヶ頂のことで、仲のよい姿が八重小学校の校歌にうたわれている。県道を北にたどり、約1.9㌔先で県道316号都志見千代田線を右に取る。
千町原口バス停(県313)(7:46)		西宗の県道316号線分岐(8:07)

右前方に、豊ヶ丸と樫の実がピラミダルな姿で連なっている。県道らしいのは分岐から300mほどで、その先はササさが被る舗装路。ほどなく、かつて管理釣り場だったらしい溜池に出会う。静かな湖面に水鳥が遊んでいる。池を過ぎてすぐ、道のへりに祠。祀られているのは、水神様だろうか。谷が三俣となり、舗装路は右谷に沿い、左谷の破線径にはササが密叢。で、どうしたわけか、中の谷右岸尾根の踏跡に取り付いてしまう。
豊ヶ丸と樫の実　西宗698の県316より(8:08)		溜池(8:17)

溜池の上手にある小祠(8:19)		陰陽分水嶺への取付地点(8:28)

快適だった踏跡はほどなく終わり、灌木・イバラ混じりのササヤブルートになる。おまけに霜が融けて、ちょっと歩けばしとどに濡れる。即、右谷の舗装路に引き返せばよいものを、陰陽分水嶺にこだわる。ひたすら身の丈のササを分け、ヘロヘロになって稜線に上がる。
陰陽分水嶺へのヤブルート(8:42)		陰陽分水嶺手前のササ尾根(9:03)

稜線のササも半端ではなく、南面に広がる景色を眺めながらの漫歩、とはいかない。ともあれ、燕岩、牛ヶ首山、龍頭山、これから向かう八重三山などを眺めることはできる。そして、これほど右に左にグニャグニャ蛇行する主尾根は、ほかにそうないと思う。魔のササヤブ帯を脱すると、あとはふつうのヤブ尾根。薄く踏跡も残っており、難なく豊ヶ丸北の峠に降りる。都志見から千代田まで県道をつなぐ計画だった破線径にその面影はなく、踏跡さえも消えかけようとしている。上り返して豊ヶ丸へ。
南面がササ原の陰陽分水嶺(9:29)		豊ヶ丸北の破線径(県道316号都志千代田線)の峠(9:51)

快適な踏跡とはいかないが、灌木は薄く、難なく豊ヶ丸に達す。マツ・雑木の山頂で、見晴しはない。樫の実への主稜線は南東に続くが、これが国宝級。しょっぱなが猛烈な灌木ヤブ、約130m下ったところから東、少し先で南の小尾根へ転じて、乗越鞍部に降りないといけない。が、僕の場合、これを逸脱してさんざん迷走する。一転、樫の実への上り返しは楽ちん。10分ひと上りの山頂は、雑木に覆われて、そのはざまに三角点がひっそり立っていた。
豊ヶ丸(840峰)山頂(10:23)		豊ヶ丸南頂稜(10:26)

豊ヶ丸と樫の実の乗越鞍部(11:26)		樫の実(835.9峰)山頂(11:40)

明瞭だった尾根は、東肩から踏跡のないバカ尾根になり、少々迷走して峠に降りる。この峠道は、林道今田線から分かれた千代田越えの立派な林道。落葉は積もっているが、倒木・折木の散乱もなく、しっかり現役のようだ。南側の分岐道から稜線に取り付くと、踏跡があり、難なく霧ヶ頂に着く。この山頂もマツ・雑木に覆われ、三角点はツゲヤブの中に静かに立っている。南尾根へ少し下ったところで、バナナ弁当(特性の手作り大おにぎりとバナナ1本)を食べる。尾根は山頂の約300m先でT字に分かれ、右(南西)にひと下りすると、林道今田線の峠に出た。千町原方面へたどると、ほどなく「森のカフェ＆レストランDude」のある野々瀬地区に出る。そこは現在、林道拡幅工事の真っ最中。どうやら、都志見からの広域農道が今田へつながるのは、そう遠くなさそうだ。
樫の実と霧ヶ頂の鞍部を越える峠(12:15)		霧ヶ頂(758.8峰)山頂(12:44)

林道今田線の峠(13:41)		野々瀬　拡幅工事中の林道今田線より(13:46)

いつかカミさん同伴で、人気のピザとパスタを食べに来られることを念じながら、Dudeの前を通り過ぎる。集落の外れに出ると、目の前に城山や野々志山が広がり、里道をポレポたどればほどなく起点。
野々瀬の森のカフェ＆レストラン「Dude」入口(13:49)		城山、野々志山など　林道今田線より(13:52)