足谷峡(あしたにきょう)
 
単独 2018.07.26 
柳ヶ瀬橋北詰(錦町宇佐)(7:04/19)→宇佐川入渓(7:22)→足谷出合(7:45)→F1(7:57/8:11)→F2(8:23/53)→F3(9:00)→F5落口(9:24)→F6(9:26/34)→F7(9:47/59)→F8(10:01/06)→F9(10:09)→F10(10:14/25)→F11(10:34)→F12(10:38/49)→取水堰堤(11:09)→右谷F1(11:13)→右谷F2(11:16)→右谷F3(11:36)→遡行終了点(11:56)→作業道(12:01)→林道(12:16)→左谷F5の上(12:25)→向峠東の地蔵堂(13:07)→起点(13:41)

軌跡図
                                                            所要時間:6時間22分、歩行距離:約9㎞
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。

アルバム
アシ谷は、標高475mあたりで二俣となる。左俣はクモノ谷と呼ばれ、九つの滝を連続させたあと小五郎山の南尾根に突き上げている。足谷峡の溯行と言えば、このクモノ谷ルートのことであるが、かねて右俣のようすが気になっていた。で、今回は、容谷越に突き上げるアシ谷を地域研究。R434から向峠への市道(宇佐郷3号線)に入ってすぐの、柳ヶ瀬橋北詰のスペースに車を駐める。柳ヶ瀬橋を渡った右手に、宇佐川へ降りる道がある。

柳ヶ瀬橋北詰(7:19)

柳ヶ瀬橋南詰の宇佐川へ降りる道(7:21)
宇佐川に入渓すると、川床には緑や茶の珪藻類がびっしり。水は透きとおっているけど、富栄養化が進んでいるのかな。さっそく、アブの大群にまとわりつかれる。700m近い河原歩きで、ようやくアシ谷の出合に着く。

入渓した宇佐川(7:27)

アシ谷出合(7:45)
水量は少ない。おだやかな谷が10分ばかり続いたあと、ゴルジュ淵が受けるスラブ滝F1に出会う。水流右の直登を試みるが、今年も滝崖に立ちこむこと叶わず。右岸の岩壁を残置ハーケンに拠ってトラバース、左の滝崖中段に飛び降りる有様。ダメもとで、水流左の直登を試みなかったことが悔やまれる。次回は、ぜひチャレンジしてみなくては。

F1(7:57)

足谷橋 F1落口より(8:11)
中国自動車道の足谷橋を上空に見てV字の谷を遡っていくと、ほどなくF2が見えてくる。トユ状のスラブ滝だが、突っ張るには広すぎ、ホールドもスタンスも皆無。何度眺めても、登れる要素はない。釜尻から左岸に取り付き、木登りで支尾根に上がる。西のガレ沢に懸垂下降して、F2落口へそろりそろり下る。懸垂下降に使うロープは、50mがよい。30mだと、ガレ沢の頭に降りなくてはならないので、あとが大変。

F2(8:23)

F2落口左岸のガレ沢(8:57)
F2落口の上流は、両岸が切り立って行き止まり、右の垂壁からF3の水流がほとばしっている。F3落口へのルートは、右岸のガリーにアイスハンマーを打ち込んで稜線に上がったあと、木登りでトラバース。

F3右岸のルンゼ(8:59)

F3(9:03)
F4は、水流の右を登る。F5は、釜尻から左岸に取り付いて巻き上がり、F5落口とF6の中ほどに降りる。F5の釜は、大きな主が潜んでいそうな深い淵。

F4、F5(奥)(9:20)

F5(9:22)
F6は、左の滝崖に取り付くも途中で進退窮まり、すべって釜にドボーン。登れそうな気がするんだけど、僕には無理なのかなぁ。あきらめて、右岸を巻き上がる。F6落口から10分も遡ると、F7、F8が二段滝で見えてくる。F7は、とても登れそうにない。右岸を高巻いて落口に降りる。

F6(9:26)

F7、F8(9:47)
F8は、滝面の右を登る。はじめは簡単だけど、中段からは必死だった。続くスラブの斜滝F9は、滝面を登る。愉しい。

F8(9:59)

F9(10:09)
シダワラの谷がスラブの大滝で出合ってほどなく、三条の滝F10が姿を見せる。昨年登った右の水流に取り付くが、中ほどからすべり落ちる。で、今度は真ん中の水流を登った。こちらは難しくない。上段は、斜めのスラブ滝。昨年は滝面を必死で登った記憶があるけど、今年は何度やっても滑り台。昨年と沢靴が違う。フェルトの違いかなぁ。

F10(10:14)

F10上段(10:25)
F10から約150m、ゴルジュ淵が受けるF11に出会う。突っ張って登る。上には、落口の渓畔林が美しいF12。昨年登った左の滝崖に取り付くが、早々にすべってドボーン。苔の付き方が薄く、よく濡れているなど、渓相が少し違うような気がする。うーむ。直登はあきらめて、右岸をアイスハンマーと木登りで巻く。

F11(10:35)

F12(10:39)
F12落口からは、小滝を二つ越えたあとゴーロの谷になり、140mも遡ると、取水堰堤に出会う。以外と楽に直登できる。堰堤の上が二俣で、右俣の奥にF13が見える。左俣のクモノ谷に入りたいところだが、今回は右俣へ。

取水堰堤(11:09)

二俣(11:12)
F13、F14は二段滝のようなもので、いずれも滝面を直登するのは簡単。F14の上はナメ床。気をよくしたのはつかの間、すぐゴーロの谷になる。15分(約270m)ほど遡ったところで、斜滝F15に出会う。立ったまま登れる。このあと、さらに280mばかり遡るが、谷は開けて滝など現れそうな雰囲気ではない。地形図を見ても、等高線間隔は広く、毛虫記号などありはしない。うーむ、アシ谷(右俣)に見どころはない、ということがよく分かった。遡行を止めて、右岸のスギ林斜面に取り付く。

F13(11:13)

F14(11:16)

F15(11:35)

遡行終了点(11:56)
ひと登りで、道に出た。これが林道と思い込み、下っていくと、行き止まり。何のことはない、ワサビ栽培の作業道なのだ。少し戻り、左手(西)の尾根筋を上がると、林道があった。ワサビ栽培用の農機具倉庫を見て10分も下ると、右に分岐。たぶん、クモノ谷F6の上流に架かる林道橋につながるのだと思う。ほどなく、クモノ谷に架かる橋を通過。橋の下はクモノ谷F5、上流はナメ床沢。当初、ここからクモノ谷も遡ってみようと思っていたが、その余力すでになく、林道を下る。シダワラの右岸尾根を回り込んだところで東面が開け、アシ谷をまたぐ足谷橋と高鉢山の絶景が広がる。ここからしか味わえない、貴重な眺めだ。やがて地蔵堂の建つ宇佐郷3号線に合流し、炎天下、ポレポレ起点に還った。

ワサビ栽培作業道(12:01)

林道(12:17)

クモノ谷を横切る林道(12:29)

足谷橋と高鉢山(12:45)