苅尾山(かりおさん)掛津山(かけづやま)
 
単独 2015.03.12 
橋山集落の西端(7:15/40)→苅尾橋・さくら亭(8:31)→苅尾山取付(9:07)→824m峰(9:24)→苅尾山(10:39/45)→1123.6m峰(11:10)→猿木峠(11:25)→土嶽林道交点(11:51)→掛津山(12:03)→南側の電波塔(12:12/37)→中祖林道(13:10)→中祖林道〈ジャゴヤ谷左岸〉(13:20)→町道吉見坂小板線(13:41)→小枩神社(13:46)→さくら亭・苅尾橋(14:00)→起点(14:49)
 
苅尾山、掛津山を南側から周回した。町境(安芸大田町/北広島町)尾根の北側を流れる橋山川の様子が知りたくて、県道11号旭戸河内線から橋山川沿いの町道(橋山小板線)に入る。集落外れの除雪終了点に車を駐める。出発の段になって手袋を忘れてきたことに気付く。このところ物忘れがひどい。雪山で手袋のないのはたまらないが、日中暖かくなることを願って、素手で凌ぐしかない。清冽な流れに沿う狭い町道は概ね深雪に覆われている。が、時々再々、湧水で雪のない路面に変わる。とうとうスノーシュー脱着に嫌気がさし、ギッタンバッコンのツボ足に切り替えた。谷間の冷気に指先の感覚が無くなってくる。擦ったり腋の下で温めたりしながら、ようやく町道吉見坂小板線に合流する。かつての大規模林道鹿野大朝線は、小板(こいた)でR191と交叉して横川(よこごう)に向かっている。ここは橋山川の中流域で、橋山地区の飛地のようにして二軒の民家がある。よく手入れされているが、人の気配はない。一軒は「空城(そらじょう)さくら亭」と言って、懐石料理と手作りケーキ&コーヒーのお店とか。現在は冬休み中で、4月から営業されるそうだ。吉見坂からの除雪はここまで。小板方面には、まだしっかり雪が残っている。スノーシューを履くが、日当たりが良いので雪は軟らかく、そう楽ではない。小板方面に1.9㌔計り行ったところから、苅尾山南東尾根(ナカノ谷左岸尾根)に取り付いた。斜面のまだら雪を拾って稜線に上がる。雪は豊富で、振り返れば樹林越しに白い深入山が見える。雑木の824m峰山頂には、ピンクテープがあった。ここから北西に向かい、闊葉樹林の尾根をひたすら上る。右側にヒノキ林が続くので尾根筋はとても分かり易く、明るい雪の疎林はとても心地がよい。日和はよく、素手であることも忘れてスノーシューイングを愉しむ。苅尾山山頂に達すると、彼の大岩はひと月前と変わらぬ姿で埋っていた。南面から深入山を心行くまで観望して、掛津山に向かう。北東尾根には古いトレースがあり、1123.6m峰の西の肩から八幡原に下っていた。踏跡のないまっさらな雪面を、日和の日に自在に歩ける贅沢はそうない。山の神様に感謝する。たおやかな掛津の稜線を眺め、苅尾山や深入山を顧みながら、掛津山に達した。おおーひらエクスプレス上駅周辺の歓声を背に、そーっと南側の電波塔の下まで移動する。そこは、ゲレンデを足下にして芸北の山々が一望できる別天地になっている。満ち足りて昼食をとり、南東尾根に下る。標高975m付近まではカケズユートピアコースのゲレンデで、その外側を行く。15分計りでゲレンデから離れて南に転じ、さらに15分も下ると林道に出た。林道中祖線で、横切って下側の道に短縮する。林道を800m計り下ると、町道吉見坂小板線に合流した。空城(そらじょう)集落の東端で、雪のない広い道を晴れ晴れした心地になって右に辿る。小松ヶ峠と呼ばれる峠に上がると、右手に小枩(こまつ)神社があり、正面間近に町界(安芸大田町/北広島町)尾根の984.9m峰が見えた。車気のない道をポレポレ歩いて、見覚えのある二軒集落に至る。二軒のお家は、お日さまの光を受けてキラキラ輝き、静寂な雰囲気が漂っている。あとは、ツボ足のギッタンバッコン歩行を堪能して起点に還るだけだ。でも、これが楽でない。橋山川調査などしなければよかった、と後悔しきりである。
アルバム

橋本集落の外れ(7:39)

ヨウガ谷出合の民家
(さくら亭など) 左の橋は苅尾橋(8:31)
   

814m峰取付(9:07)

苅尾山山頂(10:39)
   

深入山 苅尾山山頂南面より(10:41)

1123.6m峰山頂(11:09)
   

掛津山 猿木峠南西の稜線より(11:21)

深入山北東の町界尾根 掛津山南西陵より(11:44)
   

掛津山山頂(12:05)

掛津山頂稜南側の電波塔(12:25)
   

町界尾根の984.9m峰 小松ヶ峠より(13:45)

小枩神社(13:46)
   



軌跡図 
                                                   所要時間:7時間09分、歩行距離:18.4㎞